静岡市美術館で開催されました
英国キュー王立植物園
「おいしいボタニカル・アート」
食を彩る植物のものがたり
の記録、第5回目です
第2章 イギリスで愛された果実「ポモナ・ロンディネンシス」から
(「ポモナ・ロンディネンシス」とは、ロンドン園芸協会のお抱え画家だったウィリアム・フッカーが、1818年にロンドン近辺で栽培されている果物49種をとりあげて、個々の品種について解説⽂と⼿彩⾊の銅版画の図版を付した書籍のことです)
今回は3種類のボタニカル・アート(植物画)のご紹介です
一つ目は、ブドウです
ブドウ「ブラック・プリンス」(左)
ブドウ「レザン・ド・カルム」(右)
どちらも実が多く素敵な植物画ですね
実の大きさや葉の形などに、違いがあります
ブドウは、秋の味覚として人気がありますね
毎年、新種が出るほど種類も多いです
三夢猫も大好きな果物です
ブドウは、中近東が原産地といわれる、つる性落葉低木です
ブドウの栽培化の歴史は古く、紀元前3000年頃には原産地であるコーカサス地方やカスピ海沿岸で、すでにヨーロッパブドウの栽培が開始されていたそうです
生食する果物というよりは、葡萄酒の原料だったのですね
日本には、原産地から中国を経て奈良時代に渡ったとされています
鎌倉時代初期に甲斐国勝沼(現在の山梨県甲州市)で、東アジア系ヨーロッパブドウの栽培が始められました
三夢猫も、山梨へブドウ狩りによく出かけます
とても古い歴史があったのだと知り、びっくりしています
二つ目は、アプリコット(アンズ)です
アプリコット(アンズ)「ムア・パーク」
橙黄色の実が、とても美味しいそうですね~
アンズは、バラ科サクラ属の落葉小高木で、英名はアプリコット、別名は唐桃春(カラモモ)と呼ばれました
中国が原産地で、日本では弥生時代以降の遺跡から出土しているほど、歴史が古いです
現在では長野県で、アンズの栽培が盛んです
アンズには、中央アジアからヨーロッパに広まった欧州系と、中国から日本へ渡った東亜系があり、欧州系のアンズは、酸味が少なく、甘みが強くておいしいので、生食に最適だそうです
一方、東亜系のアンズは、酸味が強い品種が多い傾向にあります
三つめは、サクランボです
サクランボ「エルトン」
可愛らしい実ですね~
一つ摘んでみたいな~
サクランボ「ブラック・シルカシアン」
こちらは、今で言うアメリカンチェリーのような黒ぽい実ですね
初夏の果物として美味しいサクランボは、毎年店頭に並ぶのが楽しみです
サクランボ狩りでは、樹木から直接採って食べると、爽やかな甘味が口いっぱいに広がって、つい食べ過ぎてしまいます
サクランボも、バラ科サクラ属の果樹です
サクラの果実の中でも、セイヨウミザクラ(西洋実桜)を、通称サクランボと呼んでいます
セイヨウミザクラが日本に伝えられたのは明治時代初期で、北海道にドイツ人のガルトネルに
よって植えられたのが始まりだとされています
その後、北海道や山形県を初めとする東北地方に広がり、各地で改良が重ねられました
品種は、大別すると果肉が白い白肉種と、赤い赤肉種があります
日本で栽培されているサクランボは、そのほとんどが白肉種で、甘さと酸味を併せ持つ爽やかな味わいが特徴です
アメリカ合衆国やイタリア栽培品種は赤肉種が多く、酸味は少なく甘味が強いのが特徴です
アメリカンチェリーと呼ばれている大粒で色が濃いサクランボが、これに当たります
ボタニカルアート(植物画)に描かれた果物たちは、どんな味がしたのでしょうか・・
光が当たって艶があり、美味しそうですね~
果実を守るように描かれている葉も、素敵ですね
画家のウィリアム・フッカーの果実を見る目線が、温かく感じるボタニカルアート(植物画)です
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くーちゃん、カーテン越しで日向ぼっこ中なの?