
予定よりも早く着きすぎた。
駅には誰もいない。なにも無い。何かしらの時刻表も無い。
とりあえず今回お世話になるボランティア団体のレ・ガンビエンテに電話をかけた。
いいかげんなのは分かってはいたが番号は間違えておりどこにもつながらない。
途方に暮れる・・・。
そんなんじゃだめ。
バスも走っていない。歩いている人に「レ・ガンビエンテ」を聞いても知らないし、歩いている人をみつけるのがやっとだった。とにかく誰もいない、なにも無い。
そこに偶然ポリスが歩いて来た。
片言のイタリア語と英語で説明すると「わかったわかった。ちょっと待ってろ」と、言ってたまたま走って来た乗用車を無理矢理止めた。
ポリスに止められれば誰だって止まるだろう。
そして「10000リラ(当時700円くらい)でここまで連れて行ってくれ」と、レ・ガンビエンテの住所を見せた。
太った愛嬌の無いおばさんがしぶしぶ連れて行ってくれたが、よくある事だと言っていた。この街ではヒッチハイクは日常らしかった。
ポリスが外人の女にヒッチハイクをさせるなんて・・・平和な街なのだろう。
10分位で着いた。ベネトンやシズレーなど日本でもおなじみのショップが並ぶ小さな街だった。
アイボリーの石造りのビルのチャイムを鳴らすとドアが開いた。階段を上がりレ・ガンビエンテと書いてある部屋に入った。
奥の方から華奢でキュートなルチアという女の人が出て来た。ルチアは格好良くっておしゃれで優しいが脇毛が生えていて気になった。
しばらく休むと寝泊まりするところに車で案内された。
バカンス中の小学校の敷地内にある宿舎。16帖位の部屋が二つありスチールのベッドが6個ずつ置いてあった。
間もなくイタリア人のカテリーナという16歳のくりくり天然パーマの女の子とファビオと言うカテリーナの幼なじみと言うか使いっ走りの優しくて賢い男の子が海水浴から戻って来た。
私は一目でカテリーナが気に入ってしまい、カテリーナの隣のベッドを使う事にした。
二時間くらいすると続々と仲間が集まって来た。
オランダ人のジェシカ、アメリカ人のルポ、グレッチャン、アイルランドのグレッタ、ジョセフィン、
ベルギーのドミニカ、スイスのジャックリン、スロベニアのディティカ、
そして、現地のパスカッレ、主催者のジャンピエッロ、自閉症のジョセッペ。
二日遅れてスコットランドからダグラスがきた。ダグラスには会ってすぐに「日本人は嫌いだ」と、言われた。でも、アメリカのルポやオランダのジェシカが「みどりは違うよ」と、言ってくれて嬉しかった。
さあ、いよいよこの旅のメインイベントが明日から始まる。