1986年最終戦オーストラリアGP。

アデレード市内の競馬場のインフィールドと

公道を組み合わせたストリートコース。



コースの常設部分(グランドスタンドとパドックの周囲は競馬場)


加給圧無制限の1,000馬力のターボエンジン、

そのターボエンジンをF1に持ち込んだルノーのエンジン、

ピレリタイヤ、JPSカラーのロータス、

'82年チャンピオンのケケ・ロズベルグ、

'80年チャンピオンのアラン・ジョーンズ、

このレース限りというものが色々とあって

まさに歴史の節目と言えるようなレースの一つでした。



前戦のメキシコGP終了時点でのポイントは

ナイジェル・マンセル 70ポイント 5勝

アラン・プロスト 64ポイント 3勝

ネルソン・ピケ 63ポイント 4勝

アイルトン・セナ 55ポイント 2勝

(コンストラクターズタイトルはウィリアムズ・ホンダが決定済)


タイトル獲得の条件は

マンセルは3位以上で確定。(72ポイント 5勝、プロストが優勝した場合シーズン優勝回数で

ピケが優勝した場合は5位入賞の回数で上回るため、同点でもマンセルがチャンピオン。)

ピケ、プロストは自分が優勝、かつマンセルが4位以下で逆転。

(ピケが優勝72ポイント 5勝、プロスト優勝72ポイント 4勝、マンセル4位71ポイント 5勝

当時は優勝から6位までに9・6・4・3・2・1とポイントが与えられていたのですが、

ドライバーズタイトルは全16戦中のベスト11戦のポイントのみ有効とされていたので

今よりちょっとややこしい計算になっていました。)



ポールからスタートのマンセル が1コーナーを取るが、

3番手から好スタートを決めたセナがマンセルをかわす。

7番手スタートのロズベルグも順位を上げている。

しかしスタート時の加速はやや鈍かったピケがマンセル、セナを抜き

1LAP終了時点ではトップに立つ。

その後、リアが振られるのを腕っ節で抑えながら追い上げる

(パパ)ロズベルグがトップに立ち、レース序盤をリードする。


スタートで出遅れたプロストは、ベルガーとのバトルで軽く接触。

フロントタイヤをパンクさせピットインし、さらに順位を下げた。

この時点でレース距離の1/3を過ぎたところ。

グッドイヤーは当初レース中1回のタイヤ交換が必要としていたが、

プロストのタイヤの状態から無交換で走り切れると判断した。


レース半ば過ぎ、トップを快走するロズベルグが右リアに

異常振動を感じてマシンをコース脇へと止める。

右リアタイヤがバーストし、剥れたトレッドがボディを叩いていたのだ。


そしてこのまま走り続ければ初のチャンピオン獲得となるマンセルの

左リアタイヤがブラバムストレートでブロー。

300km/h近い速度で走っていたマンセルは激しく火花を散らせながらも

なんとかコントロールし続けストレートエンドのランオフエリアまで

マシンを持っていくことに成功する。

それは同時に初のチャンプ獲得のチャンスを失ったことも意味する。


チームはトップ走行中のピケをピットに入れタイヤを交換。

その間にやすやすとトップに立ったプロストがそのまま優勝

'59年・'60年のジャック・ブラバム以来の2年連続のチャンピオンとなる



21年前(もう22年前か?)の三つ巴決戦でした。

昨年の最終戦も手に汗握るというか、ほとんど諦めていたところへ

『神が降りてきた』ような展開になったのですが、

こちらはそれぞれのドライバーの心理がまるで見えてくるかのようなレースでした。


YouTubeの動画の最後(1分頃)に出てくる、

黄色いジャケットを着てチェッカーフラッグを振るおじさん。

私は翌年の中継で初めて見るのですが、

当時はこれを見ないとシーズンが終わった気がしない程の名物おじさんでした。

(ゴールしてくるマシンに、よく轢かれないものだと感心していました。)



フジテレビ721のオフシーズン企画で続いていたF1 LEGENDS。

当初の話では今年の'85-'86シーズンで最終回となるようですが、

来年以降も続けて欲しいなと思います。