情報の引用元はこの動画

 

 

アメリカにはトレーディングカードのBoxが未開封であることを証明するための会社があります。

Baseball Card Exchange(通称BBCE)は30年以上前からスポーツカードをメインにその箱やケースが未開封であることを証明する鑑定会社として有名です。 彼らが鑑定をした箱やケースは下の画像のようにBBCEのビニールで包装され、鑑定番号が記載されます。

 

 

 

 

1986 Topps Traded Baseball Factory Set BBCE Wrapped From A Sealed Case  (FASC) – Schwartz Sports Memorabilia

 

2019/20 Panini Prizm Basketball Hobby 12 Box Case (BBCE Wrapped)

 

ローガンポールというアメリカのボクサー兼Youtuberが、2021年12月に初版のポケモンカードのブースターパックのケースを購入したと話題になりました。そのポケモンカードは現在価格が超高騰している初版のリザードンが出るものです。

そのパックから出るリザードンは鑑定された美品であれば150,000ドル以上の価格で取引されています。

また、ローガンポールは4億円以上といわれるそのリザードンのネックレスをかけてボクシングの試合に登場し話題にもなりました。

 

●ローガンポールさん

logan paul pokemon cards booster box fake exposed 3.5 million price ripped off scam

ローガン・ポールの「4億円分のポケモンカード」に偽物疑惑 多くのコレクターに避けられていた商品だった?|Real Sound|リアルサウンド テック

 

 

●ローガンポールが購入したポケモンの未開封ケース

Image

 

しかし、ポールが偽のカードに大金も費やしたのではないかとコレクターの間では噂が飛び交いました。

PokébeachとYouTuberRattleというコミュニティサイトなどではそのケースの真贋が議論されていました。

そして偽物である可能性を指摘しました。

 

その理由としては

①ケースの段ボールが以前市場に出てきた同様のものと全く異なること

 

●ポールの購入したケース

1.製品番号が違う

製品番号の最後にEがついているが、製品コードに「1E」が含まれている初版のケースの報告今までにない。

➡次の段から製品番号の最後にEが付き始めたため、製品番号が偽物である・・・。

 

2.バーコードコードが違う

なんと彼の購入したケースのバーコードを読み取るとWOC6033と読み取れるようです・・。つまり製品番号とバーコードが一致しておらず、偽物であることを示します。

 

3.ラベルの色あせがない

当時のラベルは感熱印刷であり、経年劣化に伴い、上記のように色が薄くなっていくはずとのことです、しかし、ポールの箱は無造作時な状態で数十年も放置されていたはずなのに全く色あせていませんでした。

 

4.テープのフォント、文面が違う

ケースに張られた未開封を表すテープも偽物の様でした

 

 

 

BBCEに鑑定を依頼した元々の売り手がそのケースをどうやって入手したか、入手経路の話について3回も主張を変更していること

 1.カナダで遺品整理の際に老婆から購入した

 2.彼の12歳の誕生日への贈り物である

 3.カナダで家を購入し、屋根裏部屋で箱を見つけた

 

③元々は未鑑定でカナダから2021/03/29にebayに出品されていたことが、

●出品者『number1pokemonmaster』は販売歴がほとんどなかったこと

●商品説明の文の文法に多くのミスが見られたこと

●出品者がこの商品の出品直前にユーザー名を変更していたこと

●出品者がその価値を理解しているようだが、送料30$での出品だったこと

●2回の取引キャンセルを経ていること

 

④鑑定会社BBCEはポケモンカードの鑑定に関する知識経験はほとんどなかったこと

BBCEはスポーツカードのボックスの鑑定に関しては歴史はありますが、遊戯王やポケモンといったTCGに関する経験はほとんどなかったようです。そのような会社が滅多に見かけることのないポケモンカードの未開封ケースの鑑定を行ったことはコミュニティ間でも心配されたそうです。

 

 

 

上記のような理由から、このケースが市場に出た際には上記の理由から本物である信頼性がなく、75,000$程度で落札されたようです。

本物であれば240万$以上で落札されるような代物なので誰も本物と思っていなかったみたいです・・・。

 

 

 

その後、数人の手を経てポールの手元にこのケースがやってきました。

 

それでもなお、このYoutuberがこのケースが本物であると信頼した理由は『BBCEの鑑定がついているから』という鑑定会社への絶対的な信頼を持っていたからのようです。

 

 

その為、このYoutuberはシカゴでBBCEの担当者の同席のもと、このケースを開封することとしました。

そこにはマット・アレンという名前のカードコレクターも同席しました。彼はこのポケモンカードのケースをBBCEによる鑑定がついた状態で270万ドルで購入し、350万ドルでポールに売却したそうです。

 

 

 

そして、その結果は偽物。。。。。。

中にはGIジョーのカードがどっさり・・・。

 

 

 

 

コレクター界隈ではやっぱりという声が大きかったようです。。。。

 

しかしながら、ポールはこの騒動を通じて購入額の返金を受けており、数百万回再生されるだろう動画内にて自分が立ち上げたエネルギードリンク会社の宣伝を行っており、世界的な宣伝効果を考えればコスパはかなり良かったようです。むしろ計画通り・・・?

 

 

また、鑑定を行ったBBCEは騒動の最中に

本物の初版Boxは下のようなクリアなフィルムに包まれており、

 

 

初版以降のBoxは下のようなWOCTのマーク付きのフィルムに包まれている

 

 

というようなコレクターなら知っているような情報すら知らなかったようでその鑑定能力が疑われます。

 

また、BBCEは彼らのホームページで工場出荷の未開封ケースの鑑定についてはケースが見開封であることを証明するだけなのでその鑑定は非常にスムーズにいくとも述べています。つまり、ケースの中身のボックスやカードが本物であることの証明はしていない・・・?

 

 

上記経過から見るに、このケースは外見から偽物であることをはっきり認識できるもののはずですが、鑑定会社の未熟さから間違った鑑定がされてしまったこと。それを利用したいYoutuberかつエネルギドリンク会社を立ち上げたばかりのポールさんにまんまと利用されてしまったというところでしょうか?  BBCEの弁解を聞いてみたいところです。

 

 

 

我々一般人コレクターはポケモンカードやスポーツカードのバブルが熱狂的に続いているため、市場では偽造や偽造がより増えてくると思われるため、注意が必要ですね。