今日のネイチャーのWebサイトのニュースに、
サイエンスからの論文を引用(Campbellら 2009)して、
バイオ燃料(biofuels)に期待されている環境負荷軽減への貢献に対して、
疑問を問いかける記事が掲載されていた。
もとの論文は、まだ読んでいないが、Webサイトに書かれている事をまとめると以下の通り。
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バイオ燃料(植物由来のエタノールやディーゼル)に比べると、
植物の枯葉などを単純に燃やして発電するバイオ電気(bioelectricity)の方が、
圧倒的に二酸化炭素(CO2)排出量が少ないと期待出来る。
バイオ燃料を使うガソリンとバイオ電気を使う電気自動車を仮定し、
同じ量の植物を使ってバイオ燃料とバイオ電気を作った場合に、
バイオ電気を使う電気自動車の方が80パーセントほども多く走る事ができる。
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植物を原料としたエタノールやディーゼルなどのバイオ燃料を得るためには、
何回も精製をしなければいけない。
この精製の過程に多くのエネルギーが必要で、
エネルギー(エタノールやディーゼルなど)を作るためにエネルギーを消費しなければならない。
そのために、エネルギーを作る効率が悪くなる。
だから、精製が必要なエタノールやディーゼルを作らず、
単純に植物を燃やして発電した方が効率が良くなる。
このことは、もうずっと前から知られていたし、
たしか2年前にちゃんとした学術論文として出ていた。
なので、いまさらという気がするが、
改めて多くの人にバイオ燃料は環境負荷軽減に
ほとんど貢献しない事を知ってもらう機会になるといいと思う。
なぜ、バイオ燃料が推奨されているかというと、
おそらくバイオ燃料事業に多額の補助金(税金)がつぎ込まれているからであろう。
数年まえから発売の始まったバイオガソリンを例にとると分かりやすい。
たった3パーセント程度のバイオエタノールを添加しただけで、
ガソリンの価格は場合によって10円程度も高くなる。
しかも、この販売価格にはさらに補助金が支払われているのだ。
つまりは、バイオ燃料はガソリンの数倍もコストがかかっているのだ。
精製の手間がかかれば、当然価格も高くなる。
しかしその穴埋めに税金が支払われている。
一方で、植物を燃やして発電すると、コストも低い。
しかし、だれも補助金を出してくれず、誰も儲けない。
だから、環境により良いはずなのに誰からも相手にされない。
そういう、カラクリが隠れている。