監督:ボビー・ブールマンス

主演:スフィアン・ムスリー、マルセル・ヘンセマ、ルス・ハーフェコート、ルイ・タルプ、エマヌエル・オヘネ・ボアフォ

 

アムステルダムの中心部にあるアップルストアで、銃で武装した男が人質を取り、立てこもる事件が発生。警察は慎重な対応を求められるが...。実際に起きた事件に着想を得た作品。Netflixで2025年4月18日配信開始(Filmarks)

 

2025年製作/102分/オランダ
原題または英題:iHostage
配信:Netflix
配信開始日:2025年4月18日

 

 

最高の再現VTR 

 

ネトフリ月間ということで、

ネトフリ作品の鑑賞を続けている。

 

この作品は、

実際に2022年に実際に起きたアップルストア立てこもり事件を映像化した作品とのこと。

 

正確に事件を描写しているが、

だからこそ、なんか物足りない印象だった。

 

 

  グッときた点

 

①リアリティ

 

事件の始まりから終わりまでが、

非常にリアル。

 

事件の内部にカメラがあったとしたら、

本当にこんな感じのやり取りがあって、

こんな感じで解決したんだろうっていうのが丁寧に描かれている。

 

人質の立場だったら、

本当に気が気じゃない緊張感は確かにあった。

 

 

②交渉人の優秀っぷり

 

交渉人として犯人と対話をするリンという女性。

この人がマジで優秀。

 

ちゃんと上長の指示のもと、

犯人の気を反らす会話を投げかけ、

何度もピンチを救っている。

 

途中、男性の交渉人に変わった時も、

「どんな車で逃げたいか聞いて」

「色も聞いて」

など、犯人を誘導するアドバイスを出し続ける。

 

この仕事って本当に頭が切れて、

タフな心を持っていないと務まらないので、

交渉の部分をもっと膨らませてたら、

もっと面白くなりそうだった。

 

 

  惜しい点

 

①見せ場がない

 

実際の事件を丁寧に描写しているのは良いのだが、

その結果、物語に浮き沈みが無く、

大きな見せ場があるわけでもないので、

淡々と終わってしまう。

 

結局、一番の見せ場は人質が脱出する瞬間

 

人質が水を欲しがったので、

犯人が警察に要求。

 

ドアの前にある水を取ろうとしたフリをして、

人質はドアから抜け出し、

追いかけようとした犯人が警察に車に轢かれるという一瞬のシーン。

 

最近見たネトフリ作品の「ハボック」「エクステリトリアル」と比較すると、

ハラハラドキドキなシーンは明らかに少なく、

消化不良に感じてしまった

 

 

②真相不明

 

犯人の動機が全く分からない。

 

精神疾患があり、

世の中に大きな不満を抱えている事だけは理解できた。

ただ、何でそんなことしたのかが結局見えない。

 

実際の事件でも、

犯人は警察車両に轢かれ、

翌日には亡くなってしまっているので本当に真相が分からないらしい。

 

平坦な展開に加えて、

動機もわからないものだから、

モヤモヤが残りまくった。

 

 

  感想

 

実際の事件に真摯に向き合った再現VTRという見方をするのであれば、

トップクラスの出来栄えだと思う。

 

また、人質が全員無事であったことは、

本当に良かった。

 

ただ、僕が映画に期待するのはTVの再現VTRではないので、

多少の脚色を加えてでも、

何かしら緊張感を持たせる展開は少なくとも2~3回は欲しかった。

 

実際の事件を扱った作品で言えば、

少し前に観た「キリング・オブ・ケネス・チェンバレン」がある。

 

この作品は、高い緊張感を常に保ちながら、

83分という時間で一気に観客をその場所に連れていく体験をさせてくる。

 

こういう作品と比較してしまうと、

どうしても力の差を感じざるを得ない。

 

事件の記録を残すという事で言えば、

良作だったかもしれないが、

個人的には物足りない印象だった。

 

 

 

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