監督:アンソニー&ジョー・ルッソ
主演:ミリー・ボビー・ブラウン、クリス・プラット、キー・ホイ・クァン、ジャンカルロ・エスポジート、スタンリー・トゥッチ
「アベンジャーズ エンドゲーム」のアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟監督が、シモン・ストーレンハーグの同名グラフィックノベルを原作に、レトロフューチャーな世界観で描いたSFロードムービー。
人類に反旗を翻した自律型ロボットたちが、塀に囲まれた広大な土地「エレクトリック・ステイト」に追放された世界。ロボットは危険な存在という認識のなかで育った孤児の少女ミシェルは、失った弟クリストファーに似た雰囲気をまとうロボットのコスモと出会い、弟がどこかで生きていることを知る。コスモと一緒に弟を捜す旅に出た彼女は、道中で出会った怪しげな密輸業者キーツとその相棒ロボット・ハーマンと行動をともにすることに。やがてミシェルは、ある邪悪な組織が弟の失踪に関わっていることを知る。(映画.com)
2025年製作/128分/アメリカ
原題または英題:The Electric State
配信:Netflix
配信開始日:2025年3月14日
ロボットに萌える
CGフル活用の迫力ある映像作品として、
一級品のクオリティを堪能した。
特にロボットの描写がレトロで愛らしく、
トイストーリーのガチ版を観ているような感覚になった。
グッときた点
①ロボットの愛くるしさ
本作はロボット対人間で、
観客はロボットに感情移入する作りになっている。
その為、ロボットにどれだけ愛着を持てるか
というのがポイントになるが、
僕はまんまと萌えてしまった。
主人公たちの仲間ロボットのデザインは、
ブリキのおもちゃ博物館においてありそうな造形で、
どれもこれもレトロで格好良かった。
②迫力の戦闘シーン
さすがMrアベンジャーズ。
ルッソ兄弟の迫力ある戦闘をシーンの神髄を、
これでもかと見せつけられた。
とにかくCGが凄い。
とても動きががなめらかで、
CGが完全が画面に溶け込んでいる。
3流CGだとすぐに違和感を感じるものだが、
この作品のCGに関してはどこにも隙が無かった。
本当にこんなロボット社会があるんじゃないかと思えてしまうような、
CG職人の素晴らしい技術に圧倒された。
惜しい点
①とはいえ心は揺れず
ロボット社会の面白い設定だったり、
CGの圧倒的な作り込はあれど、
心は震えなかった。
後半で、主人公の弟のクリストファーと、
機会を通じて魂の対話をするシーンがある。
そこで、クリストファーに繋がれている生命維持装置を切る代わりに、
敵の人間ロボットを一掃できるという選択肢があり、
結果、維持装置をシャットダウン。
泣き所になりそうなところはココなのだが、
個人的にはそれほどでもなかった。
一方でクリス・プラット演じるキーツが、
その相棒のロボットを殺された時(実際は死んでない)、
の方がちょっと悲しかった。
娯楽の中にハートフルを入れるとどうしても、
娯楽が勝りがちなので仕方ないが、
もう少し娯楽か、ハートフルのどちらからに絞った方が、
記憶に残る作品になったかも。
②ラスボスはもっとデカく
人間側のボスが操縦するロボット。
こいつが、大中小の大きさで言えば中だった。
他の人間型ロボよりちょっと大きく、
ちょっと高性能っぽいだけで、
恐怖を感じるほどの圧は感じなかった。
僕としては、とりあえずデカいだけデカくして、
存在感だけは圧倒して欲しかった。
感想
鑑賞した感覚としては、
2001年公開のスピルバーグ監督の「A.I.」を思い起こさせた。
ちなみに「A.I.」は映画館で鑑賞しながら泣いた記憶もある。
あっちもロボットが普及し、
荒廃した世界が舞台だったし、
話しのコアは一人の少年が握っているという点で、
共通点も多かった気がした。
もちろん、「A.I.」と本作は全く別物だけど、
今でも心に残る作品を作ったスピルバーグ、やっぱ凄いなって思った。
本作「エレクトリック・ステイト」はどちらかというと、
迫力満点の娯楽(+ちょいハートフル)映画だ。
アベンジャーズの合間に、
これだけの規模とクオリティの作品を作るのは凄いことだと思う。
ただ、この作品が「A.I.」みたいに、
何十年後も記憶に刻まれているかと言ったらそうではない。
心に残る作品を作るって本当に難しいね。
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