監督:リュック・ベッソン
主演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
「レオン」のリュック・ベッソンが実際の事件に着想を得て監督・脚本を手がけたバイオレンスアクション。
ある夜、1台のトラックが警察に止められる。運転席には負傷した女装男性がおり、荷台には十数匹の犬が乗せられていた。「ドッグマン」と呼ばれるその男は、自らの半生について語り始める。犬小屋に入れられ、暴力を浴びて育った少年時代。犬たちの存在に救われながら成長していく中で恋を経験し、世間になじもうとするも、人に裏切られて深く傷ついていく。犬たちの愛に何度も助けられてきた彼は、生きていくために犬たちとともに犯罪に手を染めるが、「死刑執行人」と呼ばれるギャングに目をつけられてしまう。
「アンチヴァイラル」「ゲット・アウト」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが主演を務め、圧倒的な存在感でドッグマンを演じきった。共演は「フレッシュ」のジョージョー・T・ギッブス、「ザ・ベイ」のクリストファー・デナム。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。(映画.com)
DOGMAN ドッグマン
Dogman
2023/フランス
配給:クロックワークス
犬の能力のスタンド使い
実話を元にしてるってのが恐ろしいと思った。
要は犬小屋に監禁してたって事でしょ。
実話の元になった親が、
この映画に出てくるようなクズ親だったとしたら、
「親なんて辞めちまえよ」と思った。
本編はというと、
もっとアクションやヒリヒリした展開を期待していたので、
ちょっと期待外れだったかな。
リュック・ベッソン完全復活っていう、
事前の宣伝文句は煽りすぎだと思った。
グッと来た点
① ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
とんでもない魅力を放っていた。
ちょっと口角が上がってて、
ジャック・ニコルソンを思い起こさせるような仕草。
ミステリアスでセクシー、
悲哀、怒り、狂気、
複雑な役所をしっかりモノにしていて、
この映画は彼を見るための作品だと言っても良いくらいだと思った。
②犬がおりこうさん
犬達がとにかく賢い。
主人公のダグラスが話す言葉を全て理解しており、
その指示に従って行動する。
まるでジョジョのスタンドみたいに自由自在なもんだから、
この能力だけでも欲しいと思ってしまった。
惜しい点
①いうほどバイオレンスでもアクションでもない
むしろこの2点(バイオレンス&アクション)は本作に期待していたところでもあったので、
実際の内容を見て拍子抜けだった。
「オブラートに包まれたバイオレンスと、割とあっさり目のアクション」
これが正しい表記だと思う。
②かといってドラマもそれほど深くはない
バイオレンスとアクションがそれほどでもない代わりに、
ドラマが重厚かと言ったらそうでもない。
もちろんダメじゃないが、
バイオレンス、アクションを犠牲にしたほどのドラマにはなっていない。
なので、とても中途半端な印象で終わってしまった。
もうちょっとドラマで二転三転あったら見応えもあったのだが、
見応えを感じないうちに終わってしまった。
感想
雰囲気は良かったが振り切れていない。
せっかく素材は良かったので、
もっとドッグマンが動ける設定だったらよかった。
やはり、車いす生活を強いられている分、
スピードにかけてしまうし、
限られた枠の中での戦いに終始してしまう。
ドッグマンの機動力を奪ってしまったのは失敗だったのではないかと思う。
ただ、先にも書いた通り、
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの熱演と、
その魅力を堪能するには十分な内容だった。
今後も彼には期待したい。
最後に【「レオン」の衝撃から30年】とポスターにはあるが、
もう「レオン」超えなくて良くねぇ?
本人も「レオン」越えが無理なのは薄々気付いているだろうから、
今回の作品にしたって、
【「レオン」には劣るが、別方向で楽しめる作品】
とかでよくねぇ?
って、思った。