監督:チャン・ハンジュン
主演:カン・ハヌル、キム・ムヨル
誘拐された兄が、19日間の記憶を失ったまま帰宅。だが、大好きだった自慢の兄の何かがおかしい…。兄の身に何が起こったのか? ジンソクは真実を探リ始める。(公式)
悲劇の家族ドッキリ
どんでん返しでしたねぇ。
そして、韓国映画のクオリティはやっぱり高い。
グッと引き込まれている間に、
どんどん物語は悪い方へ悪い方へと進んでいき、
最後はバッドエンド。
容赦ない脚本に殴られました。
グッときた点
①家族がグルなの!?
この映画の肝。
兄貴が変わってしまったのかと思ったら、
事実は全く異なるものだった。
実は、弟のジンソクは20年前の母子殺害事件の殺人犯で、
事件の記憶を失っていた。
動機を知りたい遺族側が、
記憶を呼び起こすためにジンソクに催眠による暗示をかけ、
疑似家族として事件現場で暮らしていた。
ジンソクは自分の年齢を21歳だと思っていたが実は41歳だった。
ジンソクが事件に至った経緯は悲しい。
交通事故で家族を失い、唯一助かった兄の手術代を稼ぐべく、
ネットで仕事を探したところ、殺しの依頼を受けることになる。
依頼主は医者。
ターゲットはその妻。
子供は殺すなと言われたが、
謝って娘を殺害してしまい、
さらに母親を殺害。
息子だけが助かる。
その後、殺人を依頼した父親も、
ジンソクともみくちゃになり不慮の事故で死亡。
もうむちゃくちゃ、、。
ダメ押しで、兄だと思っていた男はジンソクに家族を殺された被害者の息子=チェ・ソンウクだった事が最後に明かされる。
いや、もう悲劇過ぎるて!
そんな、二転三転四転する物語に目が離せなかった。
②よくこの時間でまとめてきた
この作品。
上映時間は108分。
2時間を切る作品だ。
なので、展開は早い。
でも、濃度が濃くてスリリング。
ちゃんと魅せてくれる。
画面に引き付けられ続ける作品だった。
③ラストの悲劇
最後は病院。
ジンソクはソンウクから注射器に毒を盛られ、
殺されかける。
その手前で記憶がすべて蘇り、
殺人の動機、依頼主について質問されるが、
ジンソクは自分だけがやったと答える。
その言葉を聞いて、「達者でな」と言葉を残し、
病室を出るソンウク。
そして、そのまま病院から飛び降りて自殺する。
ジンソクもまた、ソンウクが持ってきた薬を腕に打ち自殺。
最後は遠い思い出の中で、
二人があっていたことがわかるシーンが流れエンド。
韓国、悲劇過ぎるって。
でも、この容赦のなさと、
「そうはうまくはいかないぜ」という現実っぽさは嫌いじゃない。
感想
やっぱり韓国映画は面白い。
その面白さの理由は濃度にあると思った。
時間が短かろうが、
しっかりと満腹にしてくれるだけの濃い目のとんこつラーメンを提供してくれる。
多少強引な話でもあるけど、
それを感じさせないスピードと見せ方、
さらに巧みな構成によって、終始惹きつけられた。
1997年だと思っていたら、
2017年だと分かった瞬間が一番ゾワッときた。
僕の周りで起こっていることも催眠じゃないことを祈るよ。