監督：白石和彌
主演：草彅剛、清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、小泉今日子、國村隼
「孤狼の血」「凶悪」の白石和彌監督が初めて時代劇のメガホンをとり、「ミッドナイトスワン」の草なぎ剛を主演に迎えて描いたヒューマンドラマ。古典落語の演目「柳田格之進」を基に、冤罪事件によって娘と引き裂かれた男が武士の誇りをかけて復讐に臨む姿を描く。
身に覚えのない罪をきせられたうえに妻も失い、故郷の彦根藩を追われた浪人の柳田格之進は、娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしていた。実直な格之進は、かねて嗜む囲碁にもその人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心がけている。そんなある日、旧知の藩士からかつての冤罪事件の真相を知らされた格之進とお絹は復讐を決意。お絹は仇討ち決行のため、自らが犠牲になる道を選ぶが……。（映画.com）
2024年製作／129分／G／日本
配給：キノフィルムズ
劇場公開日：2024年5月17日
碁盤切り、、そういう事ね！
結構、話題になっていて評価も高かったので映画館へ。
個人的には自宅で見ればよいレベルだった。
先日の「ミッシング」と比較しても映画的迫力に欠け、
白石監督の他の作品と比べると凡作という印象だった。
グッときた点
①草彅くんの怒り顔
正直、草彅君の普段のセリフの言い回しは、
セリフを言おうとしている感じが強くて、
素人からすると、何だかヒヤヒヤしながらみてしまう。
一方で、怒った時の表情・セリフの言い方は、
ちゃんと感情が入っていて、
狂気を感じさせる。
その落差が激しいもんだから、
怒った時の表情にグッときた。
②源兵衛の囲碁愛
國村準演じる源兵衛は囲碁がとっても大好き。
で、柳田のうち筋に惚れてから、
いつでもどこでも打ちたがる。
このしつこいくらい囲碁をしたがるのが、
甘えん坊の子どものようで、
かわいらしかったし、
なんだかんだ柳田を支えてる関係が良かった。
惜しい点
①キャスティング
正直、草彅君じゃなきゃダメかと言ったらそうではないと思った。
もっと適役はいたと思うが、
それだと興収に結び付かないだろうから、
そういう事情は理解できる。
ただ、仇討ち相手の斎藤工の配役は完全にハマっていなかった。
観客が柳田の気持ちに共感しまくってしまうような、
もっともっと憎たらしいキャストが良かったのに、
斎藤工だと、好青年っぽさが残ってしまい、
悪役に見えない。
ラスボスがハマってないから、
何だか気持ちが乗らず、
仇討ちをしてやったりの感覚になれなかった。
②ぼんやりした画
蝋燭などの弱い照明であったからなのか、
特に夜のシーンの画の輪郭がぼんやりしていて、
見ていて気持ちよくなかった。
個人的にパチッと線がくっきりしていて、
ザラついた画面が好きなので、
この作品の画作りはタイプではなかった。
感想
碁盤切りがどこで出てくるかと思ったら、
冤罪を掛けられ怒りに震えた柳田が、
萬屋の源兵衛と弥吉を切ろうとして、
刀を振り下ろして切ったのが碁盤だったということ。
「ここで碁盤切りか～」
と、そんな感想だった。
キャストがもっとハマっていて、
リベンジ感がもっと増していたら、
評価はもう少し高かったように思えた。
悪役って大事だな～。