監督:オリバー・ハーマナス
主演:ビル・ナイ、エイミー・ルー・ウッド
 

黒澤明監督の名作映画「生きる」を、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの脚本によりイギリスでリメイクしたヒューマンドラマ。

1953年、第2次世界大戦後のロンドン。仕事一筋に生きてきた公務員ウィリアムズは、自分の人生を空虚で無意味なものと感じていた。そんなある日、彼はガンに冒されていることがわかり、医師から余命半年と宣告される。手遅れになる前に充実した人生を手に入れたいと考えたウィリアムズは、仕事を放棄し、海辺のリゾート地で酒を飲んで馬鹿騒ぎするも満たされない。ロンドンへ戻った彼はかつての部下マーガレットと再会し、バイタリティに溢れる彼女と過ごす中で、自分も新しい一歩を踏み出すことを決意する。

「ラブ・アクチュアリー」などの名優ビル・ナイが主演を務め、ドラマ「セックス・エデュケーション」のエイミー・ルー・ウッドがマーガレットを演じる。(映画.com)

 

2022年製作/103分/G/イギリス
原題:Living
配給:東宝
劇場公開日:2023年3月31日

 

 

「良い」という弱さ 

 

元ネタは未鑑賞。
ただただ普通にいい映画だった。
 
だが、それ以上でもそれ以下でもなかった。
 

  グッときた点

 

①ビル・ナイ
 
普通の人を普通に演じていることの凄さを感じさせた。
 
演技という感じがなく、
本当にウィリアムズという人がいるかのような錯覚すら感じた。
 
これが演技を極めるという事なのだろうか。
 
 
②古き良きが良い
 
画面の色合いや、
時代を感じさせるセット、
そこに働く人達や、娯楽。
 
1953年の臭いがプンプンしていたのが良かった。
 

 

  惜しい点

 

①「良い」という以上なものが無い
 
この映画は誰が見ても良い映画なのだが、
それ以上に残るものがない。
 
物語の途中でウィリアムズが亡くなってしまう。
 
その後、彼が亡くなるまで、
人生の最後を尽くした遊び場作りの背景を見せる。
 
そして、雪の降る中でブランコにのり、
人生を謳歌する。
 
という形で収束する。
 
、、、、良いんだよ!
とても良い!
 
とても良いんだけど、
それ以上に残るものがなかった。
 
途中で亡くなるよりは、
遊び場作りに没頭するシーンを手前に持ってきて、
亡くなった後に、
生前には描かれていなかったサプライズみたいなものがあったらもっとよくなった気がした。
 
シンプルではあったが、
個人的には物足りなさを感じてしまった。
 

 

  感想

 

元ネタ自体がすでに古く、
話自体は絶対良い話なんだけど、
今見る作品としては弱かったなぁ。
 
元ネタはあるので、
それを現代版アレンジとかして、
もう少しチャレンジして欲しかった。
 
ただ「良い」というのも難しいもんだね。