著者:秋吉 理香子
全員、悪女。この中で最も嘘つきな殺人犯は誰?
リゾートアイランドに集められた、外見と内面の美を競い合うコンテストの最終候補者。メンバーは女子高生モデル、経営者、小説家、医師、シェフ、インフルエンサー、大学院生の七人。これから二週間、互いを知りながら、高め合いながら、助け合いながら、最終選考の準備を行う。その日々を見守ってグランプリを決めるはずだった主催者が、二日目の朝、瀕死で見つかった。次々と殺人が起きるなか、巧妙に隠された参加者たちの「嘘」も明らかになっていく――。この中で、一番嘘つきの殺人鬼は誰? 最高に後味の悪いイヤミス長編!(公式HP)
健康第一
実に後味が悪い作品だった。
7人の候補者と、一人の主催者がいるミスコンの舞台で殺人が繰り広げられる。
金田一の漫画にでも出てきそうなシチュエーションだが、
結末はハッピーエンドとはかけ離れていた。
物語真相をザっと紹介。
参加者の一人の女性(エレナ)が、
同じく島にいる姉(主催者:クリス)の命を救うために、
ミスコンメンバーが集められた。
何で集めたかと言えば、
エレナ、クリス、その他のミスコンメンバーは、
受精卵が同じ姉妹だったからだ。
エレナが血液のフィットするドナーを探して、
ミスコンと称してメンバーを招集していた。
健康体の対象を探すため、一緒に生活をともにしていたが、
不慮の事故でクリスがケガを負ってしまい、
マラリア感染の疑いがあった”まりあ”を殺し、
あとは、雪だるま式に殺害していったというものだった。
計画ではドナー以外は生きて返す予定だったらしいが、
結果、全員殺害という結果になってしまった。
ラストでは最後まで生き残った小説家の美咲が、
最適なドナーであることが判明し、
エレナによって心臓摘出手術が強行され、美咲も死亡。
心臓を移植されたクリスとエレナは島を脱出し保護され、
二人は未来に向かって歩き出し、
美咲は故人となり且つ犯人扱いされるというバッドエンドど真ん中の話だった。
文字も大きく、それほどボリュームもないので、
サクサクッと読むことが出来た。
この本は中学生の姪っ子から借りたのだが、
よーこんなバッドエンドを中学生が読めたなと。
ちなみに彼女は「まぁまぁ面白かった」と評していた。
僕にとっても、先に触れた金田一の漫画を読んでいるような感覚だった。
名探偵がいないので、
女性たちがキャーキャー言っているうちにどんどん人が減っていく。
遠い昔にスーパーファミコンで発売された、
「かまいたちの夜」というゲームの物語のような圧迫感を少し感じた。
ラストの犯人の動機がぶっ飛んでいて、
まったく現実的ではなかったのと、
この話に関してはバッドエンドではなくハッピーに終わらせて欲しかったので、
少々物足りなさを感じちゃいました。
「2024年に読んだ俺的ミステリー小説ランキング」
1:逆転美人
2:録音された誘拐
3:殺める女神の島 NEW