監督:飯塚健
主演:重岡大毅、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗
人気作家・東野圭吾が1992年に発表した同名ベストセラー小説を、「禁じられた遊び」の重岡大毅主演で映画化したサスペンスミステリー。
劇団に所属する7人の役者のもとに、新作舞台の主演の座を争う最終オーディションへの招待状が届く。オーディションは4日間の合宿で行われ、参加者たちは「大雪で閉ざされた山荘」という架空のシチュエーションで起こる連続殺人事件のシナリオを演じることに。しかし出口のない密室で1人また1人と参加者が消えていき、彼らは互いに疑心暗鬼に陥っていく。
オーディション参加者の中で1人だけ別の劇団に所属する久我和幸を重岡が熱演し、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗が同じ劇団に所属する個性豊かな役者たちを演じる。監督は「荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE」の飯塚健。(映画.com)
2024年製作/109分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2024年1月12日
事件ではなく演技
原作は未読。
飽きずに見れるスピード感は割と良かったが、
無理さが否めない真相と、
シンプルにワクワクドキドキが足りなかった。
グッときた点
①次々に起こる事件
割とスッとテンポよく事件が起こっていく、
そして、謎が謎を呼ぶ展開に突入する。
この真相がどうなるか、
知的好奇心がくすぐられた。
結果的には以下の3重構造。
1:劇団の主宰・東郷からの試練
2:雅美の殺人計画
3:本多と雨宮、温子、由梨江の演技
これがこの物語の肝で、
この構造自体は面白かった。
②若手俳優の躍動
こうした若い俳優が集まって、
それぞれの演技をぶつけ合って高め合っている雰囲気が良かった。
個人的には、森川葵がうまく、
岡山天音の癖が良い感じでスパイスになっていた。
重岡大毅がいつの間にか主人公キャラになっていくことに若干の違和感があったが、
最後のカーテンコールで涙をこらえられなくなる表情は良かった。
惜しい点
①やっぱ無理があるよな
劇団の主宰・東郷の声とか、
生成AIの専門家が手にかけているくらいのクオリティ。
山荘の仕込みにしても結構な準備が必要で、
これを犯人側が仕込んでいたとしたら結構大がかりだなと。
あと、殺された演技をしていた3人は、
どこで待機していたのか?
真相の場面で本多でさえも彼らが現れることを知らなかったのに、
久我はどうやって3人とやりとりしたんだろうか。
そして、殺したいほど憎かった相手と、
殺されるほど憎まれていた相手が、
同じ舞台でニコニコしながら友情をはぐくめるだろうか。
いや、無理でしょうよ。
そんなくだらないことを考えてしまったので、
モヤモヤしてしまった。
②あと15分は削っても
雅美についての過去のエピソードや、
山荘の中での会話はもうちょっと削ってもらってよかった。
特に山荘の会話は真相に直結しないものも多かったので、
各シーンの色々を削って1時間半くらいに仕上げてもらっていたら、
無理があるシチュエーションでもテンポでカバーできた気がする。
③主宰の東郷は?
主宰の存在が音声と名前だけで、
まったくその姿は確認できない。
それはそれで意図したものだと思うが、
ここまでの愛憎劇を作ってしまった責任の一端はあるし、
現に本多は手に怪我を負っているし、
東郷が何のおとがめなしで、
さらっと最後の舞台も演出家として参加していることに違和感を感じた。
感想
作り事態は丁寧に作られていて、
結果、楽しむことは出来たのだが、
心に残る感じではなかった。
こういう作品は劇場ではなく、
家でぼんやり見るには最適だと思うので、
割と最新作が3か月程度でアマプラで見れるというのは嬉しい。
もうちょっとサプライズが欲しかったなぁ。