監督:ピーター・ソーン
 

「トイ・ストーリー」「モンスターズ・インク」「リメンバー・ミー」など数々の独創的な作品を世に送り出してきたピクサー・アニメーション・スタジオが、火、水、土、風といったエレメント(元素)の世界を舞台に描く長編作品。

火、水、土、風のエレメントたちが暮らすエレメント・シティ。家族のために火の街から出ることなく父の店を継ぐ夢に向かって頑張っていた火の女の子エンバーは、ある日偶然、自分とは正反対で自由な心を持つ水の青年ウェイドと出会う。ウェイドと過ごすなかで初めて世界の広さに触れたエンバーは、自分の新たな可能性、本当にやりたいことについて考え始める。火の世界の外に憧れを抱きはじめたエンバーだったが、エレメント・シティには「違うエレメントとは関わらない」というルールがあった。

監督は「アーロと少年」のピーター・ソーン。声の出演はエンバー役に「ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから」のリア・ルイス、ウェイド役に「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」などに出演したママドゥ・アティエ。日本語吹き替え版ではエンバー役を川口春奈、ウェイド役を「Kis-My-Ft2」の玉森裕太が務める。短編「カールじいさんのデート」が同時上映。(映画.com)

 

2023年製作/101分/G/アメリカ
原題:Elemental
配給:ディズニー
劇場公開日:2023年8月4日

 

 

種族と文化を超えて 

 

いやぁ、良かったなぁ。
 
それほど泣くようなシーンでもないのに、
エンバーが悩み・奮闘する姿を見て、
それが娘と重なって何度も涙してしまった。
 

 

  グッときた点

 

①エレメントの描写がすごい
 
各エレメントの表現が、
アニメにしっかり溶け込んでいて、
感性を揺さぶる品質に昇華されていた。
 
これがあまりにもリアルすぎるとアニメ感が薄れそうになるし、
アニメ過ぎると物足りなくなるので、
この一番おいしいところを狙い撃ちで表現するピクサーのパワーは、
さすがの一言だった。
 
 
②アイディアが素敵
 
「エレメント」を主人公にする。
これがまずもって秀逸。
 
そういう所に目をつける想像力には毎度驚かされる。
 
で、エレメント同士がぶつかってしまう事で、
色々と厄介ごとが生じるというのを、
上手く物語に結び付け、
少女の成長と、素敵な恋の物語を紡いでいる。
 
この辺りの作り込みも素晴らしかった。
 
 
③エンバーの成長
 
怒りを抑えられない質のエンバー。
 
「癇癪を起すな」と親から忠告を受けるが、
それでも起こしてしまう。
 
僕には9歳の娘がいるので、
若さだったり、幼さだったりで、
そんなお年ごろというのも理解できる。
 
エンバーの方がちょっと年上だと思うが、
彼女の行動を、
まるで自分の娘を見るように鑑賞していた。
 
映画では、様々な問題を乗り越えてエンバーが成長し、
自身の生きたい生き方を選んでいった結果、
両親との別れが訪れる。
 
最後の最後で、エンバーと父親が、
最大限の敬意をお互いに払うシーンがあるのだが、
娘の将来と重なってしまい、
当然のように涙腺が決壊した。
 
 
④ウェイドの言葉がストレート
 
水のエレメントのウェイドがエンバーにかける言葉が実にまっすぐだ。
 
「僕は君が好きだ」
「君のそばにいたい」
 
そんな言葉をエンバーに投げかける。
もちろん、ウェイドは本気でエンバーを思っている。
 
なので、彼の誠実さもしっかり伝わってくる。
 
やっぱり、まっすぐで優しい奴が一番男らしい
 
 

  感想

 

映画の中ではエレメントと表現をして、
エレメント同士が共に生きることが出来ない課題を描かれている。
 
これはつまり、
国や文化を超える話だ。
 
それぞれのエレメントに昔から伝わる固定概念によって、
一部の種族は他の種族と交流を深めないのだが、
それをエンバーとウェイドが愛し合うことで乗り越えていく。
 
説教臭くなりそうなお題ではあるのだが、
エンバーにとっての成長物語としても描かれているので、
決して説教臭いとは感じず、
僕は自然と彼女の生きる道を応援していた。
 
 
子供達にとっては普通に素敵なお話に移るかもしれない。
 
ただ、親の目線で見ると、
子供の成長を願う親側に感情移入してしまい、
おせっかいなエンバーの両親の気持ちが痛いほど理解できた
 
子供の話はずるいよピクサー。