著者:荻原浩
「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。(Amazon)
ラスト1行:最初「?」→気づいて「うわぁぁぁ(寒気)」
年末の「傑作を読もう週間」2作目。
(と言ってもこれから里帰りだから、年末はこれで終わり)
面白かった!
帯でもあおっているけど、
いわゆる衝撃的なラストが待っているという作りのヤツ。
ただ、それ以外の話の展開も普通に面白くて、
ラスト1行がどうというよりも、
純粋に物語にのめり込んで、
見事に寝不足になりました。
この手の最高傑作で言えば個人的には「殺りくにいたる病」(我孫子武丸)なんだけど、
それに迫る面白さで、本から手が離せなかった。
物語は警察側、犯人側で視点が移り変わりながら真相に向かって進んでいく。
犯人側の視点が入ることで、
警察のミスリードにモヤモヤしたり、
次の展開が気になって止め時を失った。
ちなみにこれ、紙の本で読みました。
紙のボリュームを感じながら読んでいたが、
あと数ページという所でも、
なかなか真相にたどり着かない。
一体ラスト1行とはなんだろうか?
なんて思っていたら、
最後に女子高生のやり取りが交わされ、
レインマンが最後に強行した犯行だと思われていたものが、
実は女子高生たちの仕業だったという事が明かされる。
そんで、終わり。
????
結局、最後の1行ってなんだったん?
って、思ってネタバレサイト見た。
なんと、
主人公の刑事の一人小暮の娘:菜摘が、
最後の犯行に手を染めていたことがわかるというものだった。
最後の女子高生のやりとり。
その最後の最後に登場するセリフ「きもさぶ」。
これは菜摘が作り上げた言葉。
それが会話の最後に登場する。
この事実を理解したとき、
背筋がゾワッとした。
うわぁああああ、なんてこったぁあああ。
事件は解決されたようで、
真相は未解決だというわけだ。
何という終わり方。
でも、こういうの好きなんだよな。
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