監督:サム・ハーグレイブ
主演:クリス・ヘムズワース、ゴルシテ・ファラハニ、オルガ・キュリレンコ、ダニエル・バーンハード、イドリス・エルバ
クリス・ヘムズワース扮する凄腕の傭兵タイラー・レイクの過酷な戦いをリアルなアクション演出で描き、Netflixで大ヒットを記録した「タイラー・レイク 命の奪還」の続編。
前作のラストでかろうじて命を取り留めたオーストラリア人の傭兵タイラー・レイクが、監禁虐待されているジョージアの残忍なギャングの家族を救出するという新たな任務に就き、再び命をかけた危険な戦いに身を投じていく。
「アベンジャーズ エンドゲーム」などでスタントコーディネーターを務め、前作で長編初メガホンをとったサム・ハーグレイブが今作でも監督を務め、ヘムズワースと再タッグ。同じく前作から引き続き、「キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ」シリーズや「グレイマン」を手がけたアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟が製作、ジョー・ルッソが脚本を担当。共演は前作から続投のゴルシテ・ファラハニのほか、「007 慰めの報酬」「ブラック・ウィドウ」のオルガ・キュリレンコ、「スカイライン 逆襲」のダニエル・バーンハードら。Netflixで2023年6月16日から配信。(映画.com)
2023年製作/123分/アメリカ
原題:Extraction 2
配信:Netflix
アクションシーン歴代1位を更新
物語自体には特にひねりはない。
だからネタバレがどうこうという作品ではない。
この作品はアクション。
圧倒的なアクションが売りだ。
前作「タイラー・レイク 命の奪還」もそうだったが、
長回しで見せるアクションが本作最大の見どころ。
で、今回はどうだったか?
もちろん、前作を超えてきた。
それも恐ろしいほどハードルを上げた状態だったのに、
それを軽々と越えてきた。
先に言おう、
この長回しのアクションシーン以外は、
特に驚くべきシーンはない。
もちろん、中盤のビルでの死闘も凄いのだが、
前半の長回しに比べると天と地だ。
前作は10分のシーンだった長回しは、
今回は20分に拡大している。
それも、ただ長くなっただけではない。
その内容がさらにカオスになっている。
ギャングの家族の救出なので、
シーンは監獄から始まる。
監獄→中庭(大乱闘)→車で移動(車やらバイクやらとバチバチ)→電車でヘリと戦う→電車が転がり停車
これをノンストップ且つ、
1秒1秒、刻々と変化する中で超絶アクションが繰り広げられる。
まさに圧巻だった。
何だかゲームでも見ているかのような現実離れしたシーンの連続なのに、
それが当然かのように目まぐるしく展開するので、
感情が追いつかない。
計算しつくされた壮絶なシーンだった。
ただ、この長回しシーンを頂点として、
その後は尻すぼみ。
これは前作も同様。
最初に全力を出し過ぎて、
後半失速してしまった印象だった。
前作からこの点についてはアップデートして欲しかったので、
非常に残念でならなかった。
最後に5分で良いから、
長回しをもう一本入れて欲しかった。
それがあれば、
全アクション映画を凌駕する作品になれたかもしれなかった。
ってか、
タイトルの和訳どうにかならんかったかなぁ。
原題は「Extraction 2」。
タイトルが出たときに「Extraction 2」の下に和訳で「タイラー・レイク 命の奪還2」と出てきたが、
違和感の塊だった。
百歩譲って「タイラー・レイク2」でいいじゃん。
という蛇足。
