監督:クリント・イーストウッド

主演:クリント・イーストウッド、エドゥアルド・ミネット

 

「許されざる者」「ミスティック・リバー」「アメリカン・スナイパー」など数々の名作を生み出してきたクリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務め、落ちぶれた元ロデオスターの男が、親の愛を知らない少年とともにメキシコを旅する中で「本当の強さ」の新たな価値観に目覚めていく姿を描いたヒューマンドラマ。1975年に発刊されたN・リチャード・ナッシュによる小説を映画化した。かつて数々の賞を獲得し、ロデオ界のスターとして一世を風靡したマイク・マイロだったが、落馬事故をきっかけに落ちぶれていき、家族も離散。いまは競走馬の種付けで細々とひとり、暮らしていた。そんなある日、マイクは元の雇い主からメキシコにいる彼の息子ラフォを誘拐して連れてくるよう依頼される。親の愛を知らない生意気な不良少年のラフォを連れてメキシコからアメリカ国境を目指すことになったマイクだったが、その旅路には予想外の困難や出会いが待ち受けていた。(映画.com)

 

2021年製作/104分/アメリカ
原題:Cry Macho
配給:ワーナー・ブラザース映画

 

「お爺ちゃんの青春」

 

タイトルにもある「マッチョ」と名付けられたニワトリ。

 

もうちょっと活躍するのかと思ったが、

最後の最後で追っ手に嚙みつくくらいで、

それ以外には特に活躍するシーンがなかったのは残念。

 

 

闘鶏を通してマッチョの成長と、

少年の成長が重なるようなストーリー展開を予想していたから、

それと違って、何も起こらないのは物足りなかった。

 

 

一方で90歳を超えるイーストウッドが、

スピードこそないが、

落ち着いた演技で安定の存在感を見せる。

 

 

90歳越えでこのパフォーマンスと創作意欲を見ると、

半分以下の年齢の僕も刺激を受けまくる。

 

 

そんなイーストウッドが演じるマイクは、

喧嘩もするし、事故にもあうし、

動物と心を通わすし、そして恋もする。

 

1時間45分ほどの映画の中で人生を謳歌している。

 

 

逃避行先で出会った飲食店の女性といつの間にか恋に落ちて、

息子を届けた後は、

女性の元に戻り、

彼女の店でダンスするシーンで物語は終わる。

 

 

青春だなぁ。

 

 

家族が離散する過去を背負っているマイクだが、

人生はそれだけでは終わらない。

 

 

Life Goes Onって訳だ。

 

 

カウボーイだった経験から、

動物と心を通わせ、

それが町で役に立つわけだが、

まったく人生っていうのは、

いつどこで何が活かせるものになるかわからない。

 

 

また、マイクを見ていると、

家族への思いという寂しさを背負いながらも、

 

「今、この瞬間を生きている」

 

そんな気がした。

 

 

寂しさや後悔は変えられない。

それでも生きるしかない。

 

 

人生は受け入れの連続。

 

日々を出来事を受け入れながら、

「今日を懸命に生きる」

を積み重ねていくこと。

 

 

そんなメッセージを受け取った。

 

 

映画を通して人生のメッセージを送り続けるイーストウッド。

今回も人生における一つの在り方を示してくれた。

 

 

90歳を超えた状態で、

あと何本作れるかはわからないが、

今後新作が発表されるのであれば、

映画を通じて引き続き人生を教えてもらたい。