監督:ジェイソン・ライトマン
主演:キャリー・クイーン、マッケンナ・グレイス、フィン・ウルフハード、ポール・ラッド
幽霊退治に挑む冴えない科学者たちの奮闘をユーモラスに描き、1980年代に世界的ブームを巻き起こした「ゴーストバスターズ」「ゴーストバスターズ2」の続編。前2作の監督アイバン・ライトマンの息子で、「JUNO ジュノ」などで知られるジェイソン・ライトマンがメガホンをとり、ゴーストバスターズのメンバーの孫娘の活躍を描く。少女フィービーは母や兄とともに、祖父が遺した田舎の古い屋敷に引っ越して来る。この街では30年間にわたり、原因不明の地震が頻発していた。ある日フィービーは地下研究室でハイテク装備の数々を発見し、祖父がかつてニューヨークを救ったゴーストバスターズの一員だったことを知る。そんな中、フィービーは床下にあった装置「ゴーストトラップ」を誤って開封してしまう。すると不気味な緑色の光が解き放たれ、さらなる異変が街を襲いはじめる。フィービーを「gifted ギフテッド」のマッケンナ・グレイス、兄トレヴァーを「IT イット」シリーズのフィン・ウルフハードが演じる。(映画.com)
2021年製作/124分/PG12/アメリカ
原題:Ghostbusters: Afterlife
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
「1984版をリスペクトし過ぎた」
シチュエーションを変えた元祖ゴーストバスターズ(1984)だった。
1984版はニューヨークを舞台にして、
大勢の人々が見守る中、
ゴーザとの戦いに挑んだ。
そして、マシュマロマンがニューヨークの街を破壊するという名シーンが生まれた。
それらの全てを1/10にサイズダウンしたような物語だった。
予算がないのか、ニューヨークの街ではなく、
どこかの田舎町の話になり、
マシュマロマンが出てくるもの1/200くらいのサイズ感になり、
1体じゃなく無数に、そして無邪気にいたずらをする(グレムリンみたいないたずらっ子感だった)
ドラゴンボールじゃないけど、
ビルや街並みを描くのが面倒だから戦いの舞台を荒野にしたように、
人件費や破壊される建造物の経費カットの為に田舎町を選んだように思えたし、
ゴーザや2匹のブルドックみたいな怪物も1984版と一緒だが、
戦うステージが洞窟だったり、
農場だったりと、破壊の神の降臨する場所としてはしょぼい。
さらに、元祖ゴーストバスターズのメンバーが出演するのだが、
登場も何だか唐突だったし、
メンバー全員おじいちゃんなもんだから、
なんだか頼りない。
頼りないけど強いならかっこいいが、
そんなに強くないどころかむしろ弱い。
完全に思い出補正要因の出演だった。
亡くなってしまっているスペングラー役のハロルド・ライミスがCGで出てきてメンバーがが揃った時は、
なんだかとても懐かしい気持ちになった。
この作品の前作「ゴーストバスターズ」は、
主役を女性に添えての挑戦だったが、
1984年版は超えられなかった。
今回は1984版に相当のリスペクトというか、
寄せに行ったところ、
寄せが行き過ぎてしまい、
むしろ1984版の完成度の高さを証明する出汁になってしまった。
所々の演出が全て1984版のオマージュというかパクリで、
見たことあるのオンパレードだった。
ということで、1984版の呪縛がある限り、
この作品がさらに成功を収めることは難しいだろう。
いっそ、完全にシチュエーションを変え、
オリジナルの設定を外し、
全く新しいシリーズとしてやるしかないのではないだろうか。
むしろ、ガチガチのホラーにしても面白いかもしれない。
どうしてもコメディーチックでファミリー揃って見れる印象があるから、
バイオハザード的な雰囲気でコメディー要素を排除したリブートも面白いと思った。
という何の出資もしない無責任な妄想で締めたいと思う。