監督:森淳一
主演:吉岡里帆、高杉真宙、大倉孝二、浅香航大、田口トモロヲ、松田美由紀
2011年の韓国映画「ブラインド」を日本でリメイクし、吉岡里帆が視力を失った元警察官役を演じるサスペンススリラー。警察学校の卒業式の夜、自らの過失で弟を事故死させてしまった浜中なつめ。自身も失明し警察官の道を諦めた彼女は、事故から3年経った現在も弟の死を乗り越えられずにいた。そんなある日、車の接触事故に遭遇したなつめは、車中から助けを求める少女の声が聞こえてくることに気づき、誘拐事件の可能性を訴える。視覚以外の感覚から感じ取った“目撃”情報を警察に提示するなつめだったが、警察は目の見えない彼女を目撃者と認めず捜査を打ち切ってしまう。なつめは少女を救うべく奔走し、事故現場で車に接触したスケボー少年を探し出す。やがて女子高生失踪が関連づけられ、連続誘拐事件の存在が判明。なつめは事件の闇へと切り込んでいくうちに、弟の死とも向き合うことになる。監督は「重力ピエロ」「リトル・フォレスト」の森淳一。(映画.com)
2019年製作/128分/R15+/日本
配給:東映
「和製セブンの雰囲気」
なかなか見ごたえがある作品だった。
日本映画でもここまでのサスペンスが出来るのだという良い例が出来たんじゃないかと思う。
連続殺人の動機や、
作品の醸し出す雰囲気はまるで「セブン」のそれに近く。
グイグイ引き込まれていった。
中盤で少女4名の死体が発見された辺りから、
事件は一気に深い闇を垣間見せていく。
犯人は警察官。
それも動機はたくさんの死体が見たかったから。
六根清浄という儀式にならって、目、鼻、口、手、耳、脳を祭壇に献上するなんざ、
サイコ野郎以外の何者でもない。
しかし、この犯人はなかなかいい緊張感を出していた。
とにかく冷静で、殺人を犯すときは躊躇なく相手を殺害する。
その冷静さがかえって不気味で全く心が読めない。
一方、自力で事件を追うなつめ(吉岡里帆)と春馬(高杉真宙)も、
事件の核心に迫りながらも犯人に狙われていく。
映画なので仕方がないが、二人共あまりにも無謀過ぎる。
ラストの犯人の屋敷に到着した際も、
警察が到着するまで待てばよいのにガンガン攻めるものだから、
犯人に追い込まれ、あと一歩で命を落としていた。
ここだけはヤキモキした。
むしろ、警察を待って突入したあとに、
逃げた犯人が逆襲してくるならわかるが、
虎の穴に自ら飛び込んでいくのは目が見えない主人公には荷が重すぎる。
弱冠のヤキモキはあったが、
高い緊張感を維持したサスペンスとして非常に優秀な作品だと感じた。
