監督:大友啓史

主演:神木隆之介、染谷将太、有村架純、倉科カナ、加瀬亮、佐々木蔵之介、豊川悦司、伊藤英明、伊勢谷友介

 

「ハチミツとクローバー」で知られる羽海野チカの大ヒットコミックを、「るろうに剣心」シリーズでもタッグを組んだ大友啓史監督&神木隆之介主演で実写映画化する2部作の後編で、18歳になった主人公のプロ棋士・桐山零の戦いや、零を取り巻く人々とのドラマを描く。川本3姉妹との出会いから1年がたち、今年も獅子王戦トーナメントが始まるが、最高峰を目指す棋士たちには、さまざまな試練が待ち受けいた。一方、川本家に3姉妹を捨てた父親が突然現れ、耳を疑うような要求を突き付けてくる。零を演じる神木のほか、ライバルで親友の棋士・二海堂晴信役の染谷将太や有村架純、佐々木蔵之介、加瀬亮ら豪華キャストが前編に引き続き共演。川本3姉妹の父親役で伊勢谷友介が新たに登場する。(映画.com)

 

「もはや将棋の映画ではない」

 

前篇を見てからしばらく間が空いてしまったが、

ようやく見ました。

 

いきなりだがラストは宗谷(加瀬亮)との戦いを前にして、

さあ、これから世紀の一線が始まるぞ!

で、終わる。

 

よくある「その後は想像にお任せパターン」。

 

でも、それはこの映画の醍醐味ではない。

これは桐山零の成長の物語だからだ。

 

後編は桐山に親しくしてくれる川本家の話がメインとなり、

3姉妹の次女のいじめ問題、父親が突如現れて復縁求める問題など、

川本家に厄介事が巻き起こる。

 

そんな川本家を何とか守りたいという純粋な少年(桐山)の気持ちも、

色々な感情がすれ違うことでうまく行かず、

苦悩し、もやもやする姿がたくさん描かれていた。

 

そういう人間ドラマにちょいと将棋を絡ませる程度なので、

将棋の勝負など、もはやどうでも良いと思いながら見ていた。

 

そのくらいドラマパートに引き込まれた。

 

「将棋はいいから、川本家の幸せな画が見たい。」

なんていう思いが湧いてくるほど、川本家応援派になっていた。

 

役者がいいので、どのシーンも画になるし、

加瀬亮の名人オーラは素晴らしかった。

こういう名人いるいる!ってオーラを出しまくっていた。

 

さて、前篇に出ていたキャストとは、色々と決着がついたわけだが、

やはり将棋で戦っている緊張感は今ひとつ伝わってこなかった。

 

「俺には将棋しか無いんだ」と、

桐山はいうが、この映画にはさほど将棋そのものの熱さはなかった。

 

将棋にとりつかれた人達の熱い群像劇という感じだ。

 

2部作ものにしてはガンガン上げていくという感じではなく、

キル・ビルVOL2的なしっとりとした後篇という感じだった。

 

ちなみに前篇の感想はこちら

 

前後篇で結構なボリュームがあるので、

時間がある時に何かしながら映画を見るのにちょうど良い映画だった。