監督:ピート・ドクター

これ考えたやつ天才。

11歳のライリーの頭のなかの感情たちの冒険活劇。

よくこんな話を思いついたなってくらい、
色々なアイデアが所狭しと押し寄せてくる。

子供の頃の楽しくて、無邪気な発想がたくさんつめ込まれていて、
製作者達の心の豊かさには驚かされた。

ビンボンという空想の中の動物なんかが出てきたり、
夢を作るスタジオがあったり、考えの列車が走っていたり、
次から次へと。

全部本当かどうかわからないようなことばかりだから、
CMの曲をつい口ずさんでしまうとかっていうような、
人間なら誰でもある「あるある」をうまく物語に組み込んでワクワクさせてくれた。

ライリーが引っ越しによって環境が変わってしまい、感情が不安定になる。
ライリーが大切にしていた「おとぼけの島」「ホッケーの島」「正直の島」「友達の島」が次々に崩れ去っていく。
この辺りは、娘の将来と思いを重ねてしまって、こっちが不安で仕方なかった。

ヨロコビがなんとかしてライリーを元気づけようと、
諦めずに前向きに取り組む姿は見習うべきものがあった。

ビンボンがヨロコビを谷から這い上がらせるために、
わざとロケットから降りて、記憶から忘れ去られるシーンも切なかった。

最後は「カナシミ」がつらい気持ちを告白させることで、
カナシミから喜びが生まれ、ライリーの心が救われる。
って、うまいよなーこういう展開。

1点引いたのは、こんなに心配で仕方なかったライリーが、
サンフランシスコに馴染んでいく過程をもっと見たかった。
これは俺のワガママなんだけど、そのあたりの描写がもっとあったら最後はもっとホッとした気持ちになった。

面白かったのは、ライリー以外の頭の中も描写されるのだが、
その人によって、感情の立ち位置や、リーダー格の感情が違うのというのがとても興味深かった。
こういう人いるよなーって感じだった。

この話を作った人は家族の事を愛しているんだろう。
そして、子供の事を愛しているんだろう。
でなきゃ、こんな愛にあふれた話は作れない。

この映画は子供の為の映画ではなく、
ライリーと同じくらいの子供がいる親こそが見るべき映画だと思った。

傑作。