監督:ライアン・クーグラー
主演:マイケル・B・ジョーダン、シルベスター・スタローン、テッサ・トンプソン

興奮と興奮。

「ロッキー」は俺が子供の頃に、
TVのロードショーで流れていたのをふと見た。
その程度の記憶しかない。

そんなロッキーの知識ゼロで挑んだ「クリード」。
大正解でした。

ドラマの部分が、試合を盛り上げるために構成されていて、
肝心の試合では、生中継を見ているような興奮を味わった。

それはクリード役のマイケル・B・ジョーダンが、
本物のプロボクサーばりの身体つきで、動きも良く、
本物感を漂わせていたからだろう。

さて、中盤のプロデビュー戦。
試合開始からTKOで勝つまで、まさかのワンカット!
(ワンカットに見せた編集かもしれないけど)
これは圧倒的だった。

久しぶりに魂を鷲掴みにされる1シーンだった。

そのデビュー戦が凄過ぎたため、
最後のコンラン戦は若干弱さを感じた。
入場までのワンカットはテンションが上がった。

しかし、このコンラン戦も従来のボクシング映画のシーンと比べると、
相当レベルの高いラストバウトに仕上がっているのは言うまでもない。

彼女であるビアンカとの関係も良い。
最初は騒音の苦情が出会いのキッカケだったのだが、
すぐにクリードとの関係を深めていく。

このビアンカ自体も良い。
難聴というハンディを抱えながらもそれを正面で受け止め、
将来の設計を立て、夢を追っている。

そして、ロッキー。
もはや、ロッキー・バルボアという実在する男のような存在感。
なんだかんだ言っても、ボクシングが好きで、
人情に厚く、ミスをミスと認めることが出来る心を持つ魅力的な人物。
スタローンというかロッキーだった。

とにかく臨場感が良かった。

贅沢を言わせてもらえば、ドラマ部分をもう10分だけ減らして、
ラストのコンラン戦の最後の2ラウンドをワンカットでやってもらったら、
思わず席から立ち上がってしまうぐらいの興奮だったろう。

そんな要望も添えつつ、
いやはや心が熱くなった。

とてもオススメです。