監督:原田眞人
主演:役所広司、本木雅弘、松坂桃李、山崎努
骨太な映画だ。
時は太平洋戦争。終戦間近の8月。
終戦に向けて昭和天皇、閣僚、陸軍将校達の長い戦いを描いた作品。
原田監督といえば「クライマーズ・ハイ」でも日航機墜落を題材として、
新聞記者の骨太なドラマを描いている。
その汗臭く、熱をもったドラマ運びが好きで、
画面に釘付けになった記憶がある。
この「日本のいちばん長い日」も同じ熱量を持って描かれている。
役者が良い。
中でも本木雅弘演じる昭和天皇。
松坂桃李の将校。
この2人は全く温度感の違う役柄ながら、
このドラマの熱量を上げている。
昭和天皇の静かで厳かな雰囲気はドラマを引き締めていた。
ドラマは演者の早口ながらも滑舌の良い機関銃のようなセリフの応酬が続く。
そして、言葉は同然当時の言葉を話すから、一つ一つの言葉が結構難しい。
でも、それはこのドラマのリアリティを持たせる上で重要なことだ。
画面の画作りが良かった。
カラーを押さえた色調で、構図もきちんと計算されている。
足音や、服の擦れる音、細かい音も敗戦を決するという緊張感に良いスパイスを加えている。
すごく良かったのだが、
テンションが平坦だった。
初めから高いテンションでドラマが進んでいくため、
玉音放送間近のクーデターというクライマックスが、
俺の中ではもう一つテンションが上がらなかった。
もったいない!
と、いちゃもんをつけたものの、
日本映画として非常に質の高い内容に仕上がっている。
この映画を見る前に日本史を少し勉強した。
結果、これは功を奏した。
ある程度、太平洋戦争についての知識が求められる。
とくに陸軍と海軍の軋轢や、ポツダム宣言あたりの事情がわかっていると更に良い。
昭和天皇の国を思う気持ち、
そして、人間としての天皇の描かれ方が、
個人的には一番惹きつけられた。
