監督：武正晴
主演：安藤サクラ、新井浩文
松田優作の出身地・山口県で開催されている周南映画祭で、2012年に新設された脚本賞「松田優作賞」第1回グランプリを受賞した足立紳の脚本を、「イン・ザ・ヒーロー」の武正晴監督のメガホンで映画化。不器用でどん底の生活を送っていた女性が、ボクシングを通して変化していく姿を描いた。実家でひきこもり生活を送る32歳の一子は、離婚して出戻ってきた妹とケンカしてしまい、やけになって一人暮らしを始める。100円ショップで深夜勤務の職にありついた一子は、その帰り道に通るボクシングジムで寡黙に練習を続ける中年ボクサーの狩野と出会い、恋をする。しかし幸せも長くは続かず、そんな日々の中で一子は自らもボクシングを始める。14年・第27回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で作品賞を受賞。米アカデミー賞の外国語映画賞日本代表作品に選出されるなど高い評価を受け、第39回日本アカデミー賞では最優秀主演女優賞、最優秀脚本賞を受賞。（映画.com）
2014年製作／113分／R15+／日本
配給：SPOTTED PRODUCTIONS
「安藤サクラが圧倒的」
その一言に尽きる！
この映画にはクズやカス、ゴミみたいな人間ばかり出てくる。
夢や希望のない、日常の淀みに溜まったドブみたいな暮らしの中で、
もがきまくっている人達を切り取った映画だ。
なのに、皆キラキラしている。
何だろうこれは。
鑑賞中、とにかく凄いものを見ている感覚に囚われていた。
ラストの試合シーンの決着がつく際のコマ割りが好みじゃなかったが、
映画全体に流れるカラカラに乾いた希望のない雰囲気はとても良かった。
安藤サクラがとにかく凄い。
ぐうたらな前半はもちろんだが、
ボクシングにハマりだしてからのキレのある動きは、
ただただ格好良かった。
アイドル上がりが「今後は女優業で勝負します」なんて言ってる事が多々あるが、
そんな人達にこそ、
この映画をビシビシ感じてもらいたい。
これが女優だ。
そんな恐ろしいほどのパワーをぶちかまされた素晴らしい作品だった。