たしかクエチアピンっていう抗精神病薬だったと思う。
ちょっとうる覚えなんだけど、たぶんこれ。
頑なに拒否していたら、「こんな少ない量なら大丈夫だよ」と言う。
「これは高用量飲むとね、うちの入院患者なんか舌が、あ゙あ゙あ゙あ゙がががぁぁって飛び出すんだよ」と、患者の様子をマネをして、「あはははははははっ」と笑う。
え?
笑えないんですけど。
その薬を俺に飲めって言ってるんだよね?
(心の中で)
反応できずに黙っていると、我に帰ったように真顔に戻してた。
こいつキチガイじゃん。
自分が処方した薬で、患者がそんな風になってしまったら心苦しくて、そんな事言えないだろ普通。
ゾッとしたね。
もう人間の扱いじゃねーな。
この病院へ一歩入れば、主治医は絶対的権力を持った支配者なんだな。
患者はおもちゃ。
そういった恐怖を感じた一場面だった。
本当に狂っているのって精神科医のほうかもしれないね。
つづく