2007年12月12日、日本産業カウンセラー協会が「職場のいじめ調査」の結果を発表した。(回答対は産業カウンセラー440人)
「職場のいじめと考えられる事例を見たり、相談を受けたりしたことがあるか」
との質問に対して「ある」と答えたのは81%にもなり、前回の79・7%を上回った。
内容は、権威など力による暴挙である「パワハラ」が78%と最も多く、具体的な言動としては、
「罵る・怒鳴る・威嚇する」68%
「無視・仲間はずれ」54%
「嫌がらせ」50%
との回答が出た。位置関係では、
「上司から部下」85%
「社員間」56%
「同性間」43%
との数値が出、パワハラの横行がだんとつに多いことを示している。
パワハラ防止のための有効・必要な対策としては87%が、
「管理職研修を含む企業内教育」
を挙げてはいるが、これが回答者の積極的思考に基づいた案なのか、単に選択肢から選んだもの
なのかはわからない。
日本産業カウンセラー協会の相談事業部長(兼・東京支部カウンセラー)、橋渡志保子さんは、
「セクハラは法処分が可能になったことで、管理職や一般社員も含めて教育が行き届いている。パワハラについても厳正な処罰ができるように法制度の整備は必要」
との見解を示した。
また、同協会の原専務理事は、
「今回は、企業の現場で産業カウンセリング業務に携わっている人を対象に限定したことで、何らかのいじめが企業内で行われていることがわかった。人格を無視するようなハラスメントを根絶し、働く人が本当に大事にされる環境作りが、企業の責任者に求められている」
と述べ、いじめ排除に向けて具体的な活動の重要性を強調した。
権力を持つと、それを振りかざしたがる輩は多い。こうしたサルもどきの性質が人間の本性だとしても、理性や教養、道義心などで抑えることはできないものなのか。できないからこそ、社会問題にまで発展するらしい。そもそも、いい大人社会を対象に、こうした調査を行わざるを得なくなったという現実からして、情けない。
「いじめ」という手ぬるい呼称も、中途半端で無責任である。被害者の人権を傷つけ、人生を破壊する行為を、幼稚園児の仲たがいレベルにまで下げている。その根底には、
「ちょっとした行き違いなんでしょ?」
「細かいことをいちいち気にしてるんじゃないよ」
「世の中にはもっと大変なことがあるんた」
「なんだい、それぐらい」
「いくじなし」
といった冷淡な突き放しと、なおかつそれらを「気にしない」自分は、度量が広く寛大なのだと得意がる意識すら仄見える。しかもこういう輩に限って、単に自分が被害を受けたことがなかったり、むしろ、己自身が加害者だったりということが多い。
おとな社会に限らず、子どもによる、もはや犯罪としか言えない殺傷、詐欺行為すら、「いじめ」というカワイラシイ言葉で甘やかしているのが現状だ。他人を貶め、心身を傷つける行為を犯罪として扱うには、社会にいる人間(年齢を問わず)の意識が必要である。その意識の低さが、こうした甘やかし言葉に表れているというわけだ。
《了》