(前回の続き)

 遺族は会社側に安全配慮義務違反があったとして、損害賠償請求訴訟を起こす意向を見せている。

 それに対し、グッドリビング総務課は、

「労働時間など事実関係を確認していないのでコメントできない。調査した上で遺族に誠意を持って対応したい」

と話したという。

 どうも胡散臭い言い様だ。社員が過労死し、労災認定さえが下りているこの段階になってなお、社員の労働時間すら確認できておらず、調査は「これから」だというのだ。これだけでも充分、杜撰、無責任、不誠実であろう。コメントをできるだけ控えたいための狡猾な言い訳としか思えない。

「遺族に誠意を持って対応したい」

というこの総務の言葉も、空々しい。とりあえずそう言っておけば、この場は逃げおおせるとの計算臭が紛々と漂う。総務(社長の飼い犬)の人間がよく使う手だ。こうしたごまかしにばかり見を入れるようなやつが、「遺族に誠意を持って対応」なぞするわけがない。この総務の言う「調査」も、いったいどんなインチキ調査なのか、わかったものではない。


 そもそも総務なぞという役柄の実質は、苦情処理係なのだ。こんなときにこそ、腕によりをかけて、二枚舌でも三百枚舌でも、なんなりと使う。自分の会社の総務を思い浮かべてみるがいい。

 まして遺族は、提訴する意思を見せているのだ。会社としては、穏やかでいられるはずがない。「調査」という名の隠蔽、捏造工作ぐらいやるに違いない。

 亡くなった男性の母親は、

「会社側は社員の命を預かっていると考えて雇用してほしい」

と訴えたそうだが、上記のような不誠実無責任丸出し態度からして、そんな哀訴に心動かすような総務、まして会社とは思えない。