心療内科で代理予約ができ、元カレがアルコール専門医の診察を受けることになりました。
私は治療につながったら後は先生に任せようと思っていました。彼もいちいち私に聞かれたくないだろうし、そもそも私たちはこの時すでに別れていたので…

ところが初診前日、彼からメッセージがあったのです。
「明日行って来るよ。終わった後時間あったらコーヒーでもどう?診察の詳細まで話せるかわからないけど、治療の概要を報告したいんだ。」
アルコール依存症者に多い傾向らしいですが、彼も元々は真面目で律儀な人です。きっとクリニックを紹介して予約してくれた私に、何らか報告する必要があると思ったんでしょう。クリニックも家から歩いて行ける距離ですしね。
「いいよ、コーヒー飲もう。海外出張のお土産もあるし。」
そして初診当日
「まだ待ってるところ、混んでる。」
「診察終わった、会計待ち中」
「もうすぐ外に出れる」
「今終わって外に出た」
実況中継のようにメッセージが入ってきました笑。彼もちょっとテンション高くなっていたのかもしれません。アルコール依存が始まって10年くらい経って、初めて治療につながった瞬間だったはずです。
3ヶ月ぶりに会って二人で古い喫茶店に入りました。
余談ですが、彼はスタバやドトールが好きではありません。アップルコンピュータもナイキもアメリカも笑、メジャーというだけで嫌います。たぶん自己評価が低くてコンプレックスが強いんじゃないかと思ってます。
「久しぶりだね、元気だった?」
「うん、実家でリラックスできたよ。でも一昨日飲み過ぎてまだ二日酔いなんだ」
アルコールの治療に来るのに二日酔いかよ
と思いましたが、とりあえず彼の話を聞くことにしました。
と思いましたが、とりあえず彼の話を聞くことにしました。「今日は特に劇的に何か変わったって感じじゃなかったんだ。今まで一人で決めてやって来たことを、先生と一緒に目標立ててしばらく頑張ってみることになった。もしそれでダメなら薬とか使っていくかもしれないって。」
「へー、そうなんだ!先生と目標を決めたんだね。」
「あの先生面白いね。僕の苗字が珍しいからその話で盛り上がったよ。でね、先生が僕はアルコール依存症じゃないって言ってた。」
ん??
「そっかー。先生は前の病院で重症の人をたくさん見てるから、あなたはまだ軽症だって判断したのかな。」
正直、納得できませんでした。私から見たら彼は完全に依存症です。精神的にも身体的にも依存症の典型的症状が出ています。
なにより、彼が自分はアルコール依存症じゃないって安心してしまうのが嫌でした。
何で先生は依存症じゃないって診断したんだろう?と疑問でした。もしかして先生ちゃんと診ていないんじゃないか、彼に騙されてるんじゃないかと疑ってしまいました。
でも。しばらく経ってからわかったんです。彼に「あなたは依存症です」と宣言することは何の意味もありません。むしろ否認を強めてしまうかもしれません。
でも、彼は依存症にはなってないよと言ってくれた先生に対していい印象を持ったようでした。来月の予約をして来たと診察券を見せてくれました。
もしかしたら、先生は治療を続けるために彼のモチベーションを保つような話し方をしたのかもしれません。私は専門家じゃないから、治療の流れはわかりません。
でも、一つだけ気になったこと。
彼にどんな話を先生としたのか聞いた時、飲んだ後に二日酔いが長く続くことは言ってないと言ってました。
そこっ!重要なことだから!!
離脱症状が出るのは依存症の診断にとって重要な事です。何でそれ言わなかったの?と聞いても、言い忘れたと言うだけでした。
もしかしたら無意識の否認があったのかもしれません。それを言ったら依存症と診断されてしまうことは隠していたのかもしれません。
んーーー、先生はそれで正確な判断が出来たんだろうか?
私の中で疑問がムクムクと湧いてしまいました。
その場では彼を責めず、二日酔いが酷いことは先生に言った方がいいと思うけどな〜。あと、カウンセリングも受けた方がいいと思うけどな〜と言いました。
先生は長年アルコール依存症者を診てきた専門家です。彼の嘘や隠していることも見抜いているのかもしれません。それでも彼が治療を続けるように、彼がまた来ようと思えるような話し方をしてくれたんだと思います。私のように早く治ってほしいと焦るのではなく、待ちの姿勢で時間を掛けて良くなっていくように導いてくれているんだと思いました。
私が信頼して紹介した先生です。
先生を信じてお任せしようと私も腹をくくりました。
来月また診察に来た時にお茶しようと約束してその日は別れました。
