何かとみんな読みに来てくれているんで、今回は昔話をしょうかのー。長くなるかもよ。ムニャムニャ・・・。
今働いている造船所は外航の新造船の建造だけ。修繕の事業はお金にならないから、内航船以外は海外に出すと思ってええよ。すぐ隣にある造船所は、うちのブロックを造ってもらったり、内航船の修繕もしている。
今そこに懐かしい船が入ってて、ドックで船底やデッキをリペアしている。船種は俗に言う小型フェリーじゃね。昔は皆これに乗って、何時間もかけて四国の今治やら、広島の三原に学校、仕事、病院なんかに通よったんよね。車両甲板の中央に主機があって、2Fが客室、客室から出ると、展望デッキがあって自動販売機があったり昔は男女共用トイレになってたり、客室がALL喫煙になってて、タバコと船用ペンキの独特な匂いが記憶に残ってる。展望デッキはエンジンの振動がすごいから近くでも何喋っとんかわからんくらいで、おおげさにいうと、長時間いると三半規管が麻痺するくらいよ。夏は潮風が気持ちええんじゃけどね。
現在ではご存知の通り、橋ができたことにより、隻数がかなり減っている。今日は船員さんが来ていて、昼休みに隣のドックに潜入して、メカニカルな話しなんかえっとしたんよ。24歳なんじゃって。船齢で言うたら、最後のドックかもしれんって。車は減ったけど、自転車のお客さんは増えたって。自転車で、島巡りする人おるんじゃね。
人間ドックの語源の船のドック、皆見たことないじゃろー。ここで、船底の海洋付着物や古い塗膜をブラストして、新しい専用塗料を塗るんよ。油脂類なんかもこの際全部交換よね。ミッドシップの主機関係も上げとらいね。
ここで、ちょっと休んでまた長期の定期航路に就く。雨の日も風の日も、台風直撃の時は運休するけど、待ってる少数の客のために・・・。感慨深いのー。船も人間と同じよ。必要とされる限り、歳をとっても一生懸命頑張るんよ。(べきなんよ)派手な立ち回りするだけが、仕事じゃないんよ。
そのクイーンの航路をご紹介。http://www.omishima-bl.net/
今年のGWは皆、本船に是非乗って、昔の瀬戸内にタイムスリップしてね。時間があったら船員さんとも話したらええわい。海の男はぶっきらぼうで、一見怖そうなけど、話したらええ人ばっかりよ。
本日のテーマ曲は太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ;https://www.youtube.com/watch?v=VxtVQqBpooQ 」瀬戸の花嫁でもえんじゃけど。俺はこっちの方が合う思うんよ。
あとがき
4/17クイーン(本当の船名は「みしま」)がドックゲートを開けて出航しました。カメラ持ってなかったんで、写真ないけど、進水の瞬間に立ち会うと感動するよ。我造船所は、日本でも数少ない船台建造してるから進水見たい人は来たらええわい。180mのbesselが海に浮かぶ様は圧巻じゃけーの。