もうその方も辞められましたが。
基本的にはやさしい人でしたが、自分の都合が悪くなると、「契約にない」といって逃げる人でした。
そのくせ、チームのリーダーとして居座っていました。
下で働くものにとっては、非常にやりにくいというか、ありえないというか・・・
個人で別で受けた仕事でいっぱいいっぱいになると、「僕、今時間ないんで・・・」と言って、やると言っていた仕事すら直前で放り投げる人でした。
スケジュールを立てろ、というわりに、スケジュールを立てるだけで満足してる人でした。
もちろん、スケジュール表なんて一切みないし、そのとおりにやったためしがありませんでした。
そんな調子なんで、ムカついて、口論になったこと、多々ありました

今振り返ってみても、あの人はいい加減でめちゃくちゃだったな、って思いますが、でも、あの人から学んだことがあります。いや、あの人から、というよりは、あの会社からかもしれませんが。
その会社では、個人1人1人に対して売り上げのノルマのようなものを与えていました。
ひとつサイトを作れば10万円、というように1人1人に売り上げが加算され、ノルマを達成していなければ、遊ばせてしまった、というような考えがありました。
その社長は、新人の採用時には「勉強できる環境がある」とできたことを言っていました。
しかし、新人が入社してきたら、「教える必要はない。そんなことに時間を使うな。利益の出るようなことをさせろ。」と私には言っていました。
私が新卒で入社した会社は社員150人ほどの安定企業で、私は技術職だったこともあり、売り上げがどうのとか人件費がどうのとかそういった経営的な立場から仕事をしたことはなく、その後もずっとそんな感じでいたので、その会社に入ったときは、ほんと、カルチャーショックでした。
あの時は、あんたら詐欺師か!って思ったし、今でも思うところはあるけど、でも、ここで会社を経営していくことの厳しさ、ってものを教わったような気がしています。
新人に対して教育なしにノルマを課すという体制は少し間違っているかもしれないけれど、それくらい即戦力のある人材が求められる時代であり、企業も厳しいのだということなんですよね。
それまでは、自分が給料をもらうためには、自分がどれだけの利益を出さなければ、会社が赤字なのか、とか考えたことはなかったけど、そんな厳しい現実を目の当たりにして、違った意味でいろいろ学ぶところがありました。
そのデザイナーさんが言っていた言葉で、今でも印象に残っている言葉があります。
時給750円の子がいて、その子が私に時給を上げてほしいとぼやいていたので、それをそのデザイナーさんに「時給をあげてほしいと言ってた」とこっそり言ったら、「今のあの子に時給750円の仕事が出来ていますか?」とあっさり返されました。
また、よく、「僕たちはボランティアで仕事しているわけじゃない。」というようなことも言っていました。
利益の出ていない仕事に、給料は払えない、お金の入らない仕事はできない、
厳しいけど、それが現実なんだなって思います。
会社の中にいると、それが利益に直結していなくても、仕事として与えられればやるし、それがどれほどの意味をなすべきものなのか、あまり考えることはなかったけど、今、自分がフリーになってみたら、ひとつひとつの作業に対し、「これいくらの仕事だろう」とか、「割りに合わない」とかそういった感情が沸いてくるようになりました。
そして、仕事をいただくときにも、そういったことを考え、あまりにも割りに合わない仕事は断るということを選択するようになりました。
会社としてはありえない部分が多かったけど、この会社に行ったおかげで、ビジネス的な考え方ができるようになったのかもね
