東野圭吾作。


東野圭吾の作品は、

「容疑者Xの献身」とか

「ガリレオ」とか

メディアで見るようになって気になるようになった。

書店でも目につく位置に積まれている。



血のつながらない息子と、妻との家庭。

なんとなく家族との関係・・・というよりは

家庭生活がぎくしゃくして、愛人もいる夫は

息子の受験勉強合宿ってやつに参加するんだけど

参加している家族たちの異様な雰囲気に疑問を感じる。

そんな中で突然起きた殺人事件。

それを隠そうとする親たちの奇妙な連帯感に夫ははたまた疑問を感じ、

その謎を解き明かしていく。


この小説の面白いところは

誰一人として心象の描写がないこと。

たとえば

「疑問に思った」「寂しく感じた」

なんていう、単純な描写はない。

動きとか、言葉とかそういうところから読者が感じることなのだ。

だから、客観的な視点じゃなく、主人公の夫の視点から、

「謎」を解き明かしていける面白さがある。




小説の終末になっても結局真実は明かされないんだけど、

なんとなく「こうなんだろうな」って思った時に感じたこと。


大人はいつの間にかいろんなことをめんどくさく考えるようになって、

子供の頃に自分も持ってたはずの単純さ、素直さを忘れる。


そして、

「子供は意外といろんなことを知ってるもんだ。」

「意外と考えてるもんだ」

なんて、以前は自分だって子供だったことさえ忘れて、

わかったような言葉で思考を縛ってしまう。

そして、大人の自分が思う「子供」像を描くことで

実際の「子供」から離れてしまったりする。


子供は敏感で、感じ取ってることはいっぱいあって

そしてそれを素直に表現してる。

難しい言葉を使う技術とか、

回り道する方法とか、

複雑に表現するスキルとかはないから、

だからその言葉や表情、動きをちゃんと観察することで、

案外簡単に思いに辿り着けるのかもしれない。