夫は、親兄弟と一緒に住んだ時間がすごく短い。
5歳くらいで一回母方の祖父の家に里子に出された。
理由:手に負えなかったから(T▽T;)。らしい。
何でも、ものすごいやんちゃ坊でそこら中の子をひっぱたいては泣かせるし、よその物は取ってきちゃうし、両親は年子の弟も抱えて、どうしていいやら途方にくれたらしい。
その、当時の母方の祖父母の家というのが、ものすごいど田舎。まず、唯一の交通であるバスに乗るために、大人の足で3時間歩かないといけない。しかも、その道のりは山の中なので、子供の足ではもっとかかるし、時には危ない動物も出現する。
ある日、両親は彼をその祖父母の家まで連れて行き、黙って彼を置いて帰っていった。
彼は自分の気持ちについて多くを語らない人だけど、私はその話を聞いた時、いったい5歳の男の子がどんな気持ちになったんだろう、と本当にいたたまれなかった。
もちろん、祖父母は本当に彼を可愛がってくれたし、特に不自由のある生活ではなかったけど(ネパールの田舎なりに)どうしたって、子供は両親が恋しい物なのだ。
何度か一人で帰ろうと山道をひたすら歩いたけど、結局は怖くなってまた戻って、やがて諦めて、小学校が終わるまでを祖父母の家で大きくなった。
そうして、もう一人で山道を歩くのに充分大きくなった彼は、とにかく両親の家に帰った。
そして、またもや、彼はやんちゃぶりを発揮する。別の意味で。
地元ではそれなりに大きい家に住んでいる事と、気軽に女の子と話をする事で、彼は比較的もてた。大きい家、と言うのは女の子にとってはポイントが高い。ネパールでは女性は二十歳前後、もしかするとそれより早く結婚する事がわりと一般的なので、女の子にとって裕福な事は重要。
彼の地元では告白は、人づてが多いんだそう。他の人に「私が好きだって言ってたって、言って」というもの。
彼は、誰かが「~ちゃんがお前の事好きだって」と言ってくるたびに「OK,じゃあ、俺も~ちゃんの事好きだって言っといて」と返事をしたのだ( ̄Д ̄;;
そんな風に軽口を叩いてまわるものだから、「私は彼と付き合っているの」と思い込む女の子がそこら中に・・。しかも、彼女達に会えば「今日も可愛いね」だの言ってのける。ま、若かったので・・。
で、ある日、彼は地元でもかなり力のあるヤ○ザの娘にそれをやってしまった・・。
彼は、別れ話が非常~に苦手。と言うか、それまでは彼のほうから別れ話を切り出したことは無かった。たいていは女の子のほうが彼のしている事に気づいて呆れて離れていったから。もしくは、女の子のほうも現実的なので、さっさともっと早く結婚できる人を探しておさまって行った。と言っても、この時まだ高校生くらいだけどね・・。
でも、彼が別れ話をしないので、そのヤク○娘ちゃんはすんごい勢いで押してくる。「もう、結婚しかない」みたいな。
彼は実際本命ちゃんがいたし(じゃあ、そんなことするな~(-_-メ)、結婚なんて当分先、と思っていたのでとうとう別れ話をきりだした。
ヤ○ザ娘ちゃん、大激怒。
その日の夕方、親切な近所の人が彼のお父さんに「ヤク○娘ちゃんの家の若いもんたちがお宅の長男を絞めるべく準備しているよ。もうすぐ来るよ」と教えに来てくれた。
彼、大ピンチ。ヤク○娘ちゃん「腕持って来い」くらいの勢いらしい。
かくして、彼はとりあえず身の回りの物をバッグに詰めて、カトマンズの叔父さんの家に身を隠す事になったのでした。
それ以降カトマンズの学校に行く事になり、インドの学校に行ったり、オーストラリアに来て、で結局彼が両親と過ごしたのは生まれてからの5年を入れても10年弱。
夫とその家族は本当に仲が良いと思う。しょっちゅう電話しては長話している。でも、時々夫は「そりゃあ、ずっと一緒に住んでたんだから両親は弟の方が可愛いに決まってる」とぽつりとつぶやく。
この、夫の生い立ちを思い出すたびに、考える。この先、娘がとんでもないきかん坊になったら、私も「誰かに預けてしまいたい」と思ったりするものなんだろうか・・?まだ赤ちゃんな娘は、手がかかるだけで何の害もないけど、本当に、何があっても、いつでも味方でいてあげたい、と思うけど・・。いつか、私も・・?経験していないだけに、答えを出す事は出来ない。
でも、もしも彼女がとんでもなく手のかかる子になったとしても、自分の子であることには変わりないので、自分で責任をとりたいなあ、と漠然と思う・・。
おかげさまで10位以内ぎりぎり食い込んでます。押してくださっている方、ハグさせてくださいヘ(゚∀゚*)ノ。ぎゅ
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