新田次郎の名著「八甲田山死の彷徨」
また更新あいてしまいました・・・。
久しぶりの更新は、山岳小説、と言ってよいのか??ですが、山をやってる人なら殆どが知っている(?)新田次郎さんの名著、「八甲田山死の彷徨」の紹介です。
だいぶん古い作品ですが、今でも絶版にならず売られています。
私、あまり一度読んだ本は読みかえさないのですが、この本だけはなぜか3度ほど読み返した記憶が・・・。
映画にもなった(確か高倉健主演)なので、ご存知の方も多いと思いますが、明治時代、日露戦争前に中国東北部での雪上戦闘を念頭において実施された雪中行軍、その際に起きた大量遭難の悲劇という実話を元にした小説です・・。
青森と、弘前にある陸軍連隊が競争する形で実施されたこの行軍、両連隊の準備方法、装備、上下関係の違いが結果的に、片方は行軍に成功し、もう一方は大量遭難するという(あらすじ書いちゃってすいません)、非常に明快な内容でぐいぐい読めます。
圧巻は、大量遭難にいたるシーン、その描写がリアルでおもわず引き込まれててしまいます・・。
私、実際に冬の八甲田(3月)に行ったことありますが、確かにだだっぴろい雪原が多く、実際、リンデワンデリングに陥りかけた経験が・・・・この本読んだ後であったこともあり、寒気がしました 。
本誌に出てくる冬装備、今でも役立つ内容のものも結構あります。
例えば「おむすびは、背嚢(ザックです)に入れておくだけだと凍って食べられなくなるので、焼いた上で包み、懐に入れておくと、凍らないばかりかカイロ代わりになる」とか・・・・ね。
山岳小説というよりも、「山を舞台にした歴史小説・ドキュメンタリー」ですが、山屋は必読の一冊。
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