この時期になるといつも思い出す。
気温よりも熱くなる心。
忘れることのできない想い。
この体が覚えている。
灼熱の太陽に照らされ、
焼けるグランドの中をただ夢中で白球に向かっていた時を。
今思えば自分にとって大きな3年間だったと思う。
その前から野球に夢中になっていたが高校の3年間は特別なものだった。
当時は正直、つらく苦しい毎日だった。
約4000校の中から最も優れたチームが栄冠を手にする。
勝者はただ一チームのみ。
無敗の強者だけが許させる至高の夢。
現実から逃げたくなる時もあった。
全国の高校球児が栄光を手にするために汗を流し、血を流し、涙を流す。
目に染みる泥と汗を拭い、血だらけの硬い手で一心不乱にバットを振る。
気が遠くなるまで繰り返し繰り返し続ける基礎練習。
みんなが痛みを隠しながら。
ただ一つの目標のために。
ある者は親元を離れ過酷な環境に身を置く。
そしてある者は過酷な争いに耐えれずその場から去っていく。
思い描いている高校での生活、
憧れる青春なんてほど遠い毎日。
頭を刈り上げ、顔と腕だけ肌は黒く焼ける。
甘酸っぱい恋も知らずただひたすら白球と向き合う毎日。
でも今思えば誰よりも青春をしていた、
誰よりも夢中になって長くも早い3年間を過ごせていたと思う。
灼熱の太陽が思い出させる。
果たせなかった夢とともに。
苦しみを共に乗り越えた友を。
勝利を仲間と分かち合う喜びを。
故障してやりきれない想いも、
儚い夢も、唇を噛み締める悔しさも。
喜びの涙も悔しさの涙も。
そして熱い想いを。