前日にショッキングな宣告を聞いて、頭の中がいろんなことでぐるんぐるんのぐっちゃぐちゃで、ほとんど眠れませんでしたが…、何はともあれ面会に行きました。
実家の母や弟に電話したりだとか、近所に住んでいる夫の叔母さんと従姉妹にも報告をしたり、
こんなときに限って、今年は町内会の役員を押し付けられていて…なんか、今年初の試みだとかいう、お祭りの募金を一件ずつ回って集めて回る仕事なんかも舞い込んで来たり
気持ちが追い付いていなくても、やらなくちゃいけないことはいろいろあるものですよねぇ…
でも、かえってそういう、やることがあってくれたおかげで心が保てていたような気もします
その日も母からの厳命で、バイクの運転はせずに、バス電車バスと乗り継いで病院に行きました。
病室に着くと、夫はベッドに腰かけてぼんやり座っていて。
私が座ると、ぽつぽつと自分の気持ちを話してくれました。
昨日は流石に全然眠れなかったよ…
でもさぁ俺、いろいろ考えてみたんだけど。
今まで、何不自由なく生きてきて、好きなもの食って、さんざん好きな趣味にも熱中して。タバコだって、去年やめるまではバカスカ吸っててさー。
入院したって言えば、すっ飛んで来てくれる友達もいてくれて、お前も居てくれて…
そんな状態で、今死ぬとしたら、って考えたら……
あれ?俺って幸せじゃね??
って思ったんだよ~。
まだ、みんなにお別れ言う時間だって心の準備する時間だってあるしさ…、みんなに囲まれて見送ってもらえるなら、全然幸せな死に方なんじゃないかなって。
お前のことは、最後まで幸せにしてやれなくてごめんなって思うけど、俺が死んだら家とか土地とか全部売っぱらっちゃって、誰か好い人見つけて再婚でもしてくれな!
抗がん剤は、膵臓だと、効くかどうか博打みたいなもんなのに、副作用とかキツそうで、出来ればやりたくないから…痛くなってきたときの、緩和ケアっていうの?それだけ頼みたいかな…。
再婚のところだけは、ぶんぶん首を横に振りましたが、あとは口を挟むことなく最後まで聞きました。
つらいのは本人のはずなのに、私のほうが泣いてしまいました…
そのあとは、お見舞いの人が来てくれたり、看護師さんがリハビリや検査に連れ出したりと忙しなく、あまりじっくりと二人で話す時間とかは取れませんでした。
夫の夕食が届いたころに、じゃぁまた明日来るね、と病室を出ました。