保護者懇談会の中で、「国際卓越研究大学」についても触れられました。

 

 

「国際卓越研究大学」は、日本の研究力の低下が指摘される中、先進的な取り組みを行う大学に優先的に資金を配分し投資することで、研究環境を整備し世界トップレベルの大学を育てようと、3年前から政府全体で本格的に検討が始められました。
財源は国が設立した10兆円規模の「大学ファンド」で見込まれる運用益のうち、年間最大で2800億円が「国際卓越研究大学」の制度に使われる予定です。

各大学へは、大学が寄付や共同研究などで外部から獲得した金額とおおよそ同じ額が配分される予定で、大学の研究基盤の強化や若手研究者への支援などに活用することができます。「2023年9月1日NHKニュース」より

 

研究力を高め、世界レベルに負けない大学を育てることを目的に、お金を投入してくださると言うことですね。

昨年の公募で10大学のうち、東北大が候補に選ばれています。まだ決定ではありません。

なぜ東大京大ではなく東北大が選ばれたのか・・・

 

大学は伝統的に現場の教員ら研究者が、入試など研究以外の業務も多く担って動いてきた。近年は競争的資金獲得や安全衛生など対応すべきことが増え、研究時間が圧迫され、日本の研究力低下を招いたとされる。卓越大は政府の10兆円大学ファンドの運用益から支援を得ることで、大逆転を図るものだ。

(中略)

東北大は複数教員のピラミッド型組織「講座制」から離れ、教授、准教授、助教それぞれが研究室主宰者(PI)として「研究ユニット」を率いる独立型に転換する計画を打ち出した。その結果、現在の全学830研究室が1800ユニットになる。これを研究支援や産学連携の専門職スタッフ1100人増によって支えるとする。「日刊工業新聞 2023年12月5日」より

 

それぞれの大学が様々なビジョンを打ち出した中で、今までのピラミッド型の研究体制から、それぞれの研究室、個々の研究者の研究を支援できる体制を作っていくということを打ち出し、それが評価されたということでしょうか。

 

総長も講演の中で「(認定が通れば)年間100億が25年間。世界の大学と競争できる力があると国から認められた」と。

 

学問の府として、従来のように扉を閉じていてはダメ。

社会と一緒に発展していくことが大事。

 

研究のシステムを変える。

教授~助手~・・・という上下関係ではなく、フラットに。

若い研究員が独立して研究していってもらうことが大切。

本来研究者がやらなくていい事務仕事その他を、他の人にやってもらう。そういう人を雇うこともできる。

国際的な研究に伍していくためには、国外からも優れた研究者を招聘してくる必要がある。今までは費用の面でも呼ぶことができなかった。そういう部分にもお金をかけられる。

つまり、若い研究者のために環境整備ができる、ということをおっしゃっていました。

もちろん、研究に必要な最新の機材や諸々の購入も必要なのでしょう。

 

アインシュタインが1291年にノーベル賞を取り、その翌年、仙台を訪れたそうです。その時に、「仙台は学術研究に最適な都市」「将来の強力なライバルは東北大」と言ったとか(総長談)。

 

大学が掲げる「研究第一」の理念が、ますます発揮されていくことが楽しみです。

 

工学部において、学部卒業者の90.2%は大学院に進んでいます。(令和5年度)

その上の博士前期課程終了者の82.3%が就職、14.4%が後期課程進学。(その他3.4%)

更に、後期課程修了者の62.3%が就職。19.2%がポスドクや研究員に。

 

 

どんどん減っていってしまうことを憂いていて・・・

院の前期まではほとんどの学生が進むけれど、その後残らずに就職していく学生が多い。その上まで行くよりそれなりの企業に就職した方がと考える学生が多いからだと思うが、世界に目を向けたら、後期まで出ていて当たり前の世界。。。

 

後期課程に進む学生のために、包括的な経済支援も整っている。全員に経済的支援、授業料は実質無料。その他さまざまな財源の奨学金が用意されている、との説明もありました。

 

ポスドク・・・博士号を取得したあとに、大学や研究所で正規のポストにつかず、研究職を続ける期限付きの研究者。任期が定められているポスドクには任期終了後の地位や職の保証がありません。そのためポスドクの任期内にどれだけの研究成果をあげて論文を残せるか、人脈が広げられるかがその後のキャリアを左右すると言われています(ひゃ~絶望)

研究室に所属するため、自分の研究以外のプロジェクトの様々な業務や雑用をこなす必要があります・・・(「人事の図書館」より)

 

こういう雑用や諸々のことを他の人にやってもらって、研究に没頭できるということかな。

 

息子の面接の時に、先生から

「研究が好きって感じだね。アカデミアまで行きたいという希望はあるの?」と聞かれて「はい!」って答えたそうな。。。汗うさぎ

 

どこまで行けるかわからないけど・・・(学力的に)

 

息子だけでなく、最高の環境の中で、志を高く大いに頑張って欲しいものです。