私は、ジョンスから離れて、片手で雪を握り、私の様子を見ているジョンスに投げた。
ジョンスが、上手く交わしたので、コートをかすっただけだった。
「こら、やったな」
今度は、ジョンスが投げた。よけたつもりだったが、背中に命中してしまった。
少しの間、雪遊びをして、楽しんでいたが、私が転んでしまって、
起き上がれず、ジョンスが起こしてくれた。
雪で、びしょびしょになってしまった。
「風邪引くから戻ろう」
部屋に戻り、ジョンスがジャワーを浴びている間私は、体をタオルで拭き、毛布にくるまっていた。
「ナナミおいで」ジョンスに呼ばれ、浴室に入り、腕をぬらさいように、シャワーを掛けて貰い
体を洗って貰った。
「さっぱりした。ありがとう」
「久しぶりに楽しかったよ」
「うん、動いたから、お腹すいた」
「あははは、何か食べに行こう」
「でも、騒がれない?」
「このホテルは、大丈夫だよ。何が食べたい?」
「う~~ん、栄養が付くように焼き肉!」
「いいねぇ。じゃ行こう」
お店まで、何人かの宿泊している人に会ったが、騒がれることなく、店に入っても、直ぐに
店員が席に案内してくれ、他の客が私達を見てこそこそ話していると、直ぐに来て注意をする
徹底ぶりだ。
焼き肉は、日本の食べ方とは違い、戸惑ってしまったが、ジョンスが、食べ方を教えてくれた。
左手が使えない私は、上手くサンチェに肉を乗せる事が出来ず、皿の上にサンチェを置き、
お肉と野菜を少し入れて、包んだが、中の具が多かったらしく、一口で入らなかった。
ジョンスが、笑ってサンチェに肉を入れ包んで、私の口の中に入れてくれた。
「ナナミを見ていると、面白いよ。次は何をしてくれる?」
「そんな事言ったって、日本と食べ方が違うし・・・」
銀の器に入っているご飯を手で持ってしまった。
「熱っ!」
ジョンスが、手で口元を押さえて笑っている。
「手を見せて」手を出した。
「大丈夫だね。これぐらいは知っているでしょ?ナナミ」
「つい、癖で持ってしまって・・・」
俯いていると、ジョンスは、笑いが止まらようだ。
「ジョンス、そんなに笑わなくても。。」
「ごめん、やっと笑えた」
私の頬に手を置き「やっと、初めて会った頃のナナミに戻った」
「・・・ジョンス・・」
「さぁ食べよう」
今までの苦しく、辛い思いが、2人だけで、過ごすことで、少しずつ薄れていくようだ。
「僕の顔を見てないで、食べて」
私の口の中に、サンチェに包まれた、少し辛めのお肉を入れた。
「からっ、ジョンス辛いよ」
ジョンスが、いたずらっ子のように笑っている。
「ジョンス、酷いよ」
「ごめん、もうしないよ、これは大丈夫だよ」
手に取り、中を確認してから、食べた。
「僕の事、信用していないの?」
「「うん、辛いものが、口に入ると、ずっと口の中が、辛くて何を食べても、味が解らなくなるんだもん」
「ごめん。少しいたずらが過ぎた」
「もうしないで。辛いの苦手なの知っているでしょ」
「解ったよ」
空気が、重たくなり、ただ黙々と食べて、店を出た。やりすぎた僕が悪い。
ナナミからまた、笑顔を消してしまった。
「ナナミ先に部屋に戻ってくれる?」
ルームキーを渡し、エレベーターに向かい、歩き出した。
僕は、階段で1つ下の階に下りて、イタリアンレストランに入り、テイクアウトで
ケーキとジェラートを買い、部屋に戻った。