夕方、リュさんに引き継ぎをして事務所を出て、
ユリちゃんを迎えにジェイの実家に寄った。
「おばさん、明日から2日間、日本に行ってきます」
「ナナミさんと、きちんと話すのよ。ジュンの事は私に任せて」
「はい。お願いします」
ユリちゃんの着替えを、受け取りホテルに戻った。
「ユリちゃん、明日の朝早くに日本に行くから良い子にしてるんだよ」
「は~い。お姉ちゃんに、ママになってて、お願いしに行くんでしょ?」
「そうだよ。ジェイもいるから、遊んでくれるよ」
「やった!早くいきたいなぁ~」
夕食を取り、部屋でくつろいでいると電話がなった。
「ジェイ、ナナミに何かあった?」
「日本に帰ってから、ずっと泣いているよ」
「僕が守れなかったばかりに、ナナミを苦しめてる・・」
「兄貴、自分を責めないで。今日、兄貴の事務所の、ジュリさんから電話があって、
姉ちゃん電話に出られなかった。俺が話を聞いたけど、衣装の事で話がしたかったみたい。
それを姉ちゃんに話したら、ずっと泣いてたよ」
「ナナミは、僕の、装を作るのを楽しみにしてたんだ。それなのに、僕があんなことを言わなければ・・」
「姉ちゃん、泣きながら兄貴の名前呼び続けてた。明日、姉ちゃんの事受け止めて」
「解っている。明日、ユリちゃんも連れて行くよ。ユリちゃんも、ナナミに会いたがってる」
「そう、ユリちゃんを見たら、気持ちが変わるかも知れない。姉ちゃんの心の傷は深いけど、
癒せるのは、兄貴だけだから」
「ジェイ、すまない」
「明日、姉ちゃんと迎えに行くよ。到着ゲートを出たところで待ってる」
「解った」
後は、兄さんだ。大丈夫だろうか?母さんがいるから、無茶はしないだろう。
僕は、ジェイとの電話でナナミの気持ちが、痛いほど伝わり何としても僕の腕の中に
戻って来れるようにに考えていた。
無邪気に笑っているユリちゃん、僕一人で育てられる訳がない。
「パパどうしたの?」
「何でもないよ。明日早いから、シャワーを浴びよう」
「は~い」
私は、ジェイの背中で泣いた後、自分の心が何処にあるのか掴めずにいた。
ジョンスの事は、愛してる。会いたい。抱きしめてほしい。でも、もう苦しむのは嫌。
両親に甘えて暮らした方が、幸せかもしれない。ジョンスに会うのは、怖い。
ジェイ、少しの間、甘えさせてね。
母の背中にくっついて、寝りについた。
朝、目が覚めるとまたジョンスを探していた。もう、だめだなぁ。
着替えて、キッチンに行った。
「お母さん、おはよう」
「おはよう、顔洗っていらしゃい。目が腫れてるわよ、今、冷たいタオルあげるから冷やしなさい」
日本に戻ってから、泣いてばかりだ。ため息をついた。
「姉ちゃん、おはよう」
「おはよう」
「今日、大丈夫だよね?」
「うん、ちゃんと話すよ、ジェイ傍にいてね」
「俺は、何時も姉ちゃんを見守ってるよ」
「ありがとう」
朝食をとり、少し早いけど道路が混むので家を出ることにした。
「行ってきます」
「ちゃんとジョンスさんと、話すのよ。父さんも、私も、ジョンスさんと話がしたいから、家に連れてきなさい」
「おばさん、俺が必ず連れてきます」
「ジェイ、頼んだわよ」
私たちは、羽田空港に向けて出発した。
