双極の夏、日本の夏(?)照れ
今年も聴講してまいりました、2018/8/6 朝日カルチャーセンター新宿にて開催の「双極性障害の基礎知識」
講師は理研・加藤忠史先生(双極性障害研究の第一人者) 




以下は、講義内で頭に止まったこと(=面白いなと思ったこと)

・ビプレッソ(対象疾患:双極うつ)
1)これまで双極に効果があると知られていたセロクエル(クエチアピン)徐放剤。
内服1週目より鬱改善効果ある症例あり。
2)セロクエルの徐放剤だが、大人の事情あり、新薬として開発・販売。

PMDA(医薬品医療機器総合機構:以下P)「セロクエルを双極治療薬として開発・販売しろー💢」
製薬会社(以下 製)
「そうは言われましても、開発費用が…💦」
(医薬品の臨床試験=治験やるには、数十億~数百億円の費用必要)
製「…。
別の治療薬(新薬)として発売させてもらえるんだったら、開発・販売してもいいです(ドャアニヤリ
(新薬として発売されると、利益率が高い)
P「ぐぬぬ…。
仕方ない。新薬として発売することを許可する」
ということで、治験開始にこぎつけ、無事販売に至っているそう。
加藤先生「製薬会社もボランティアじゃありませんし、仕方ない面もあるんですけどね・・・」

・ビプレッソ 副作用に傾眠(50.7%)がある。
これは、同じ成分であるセロクエルの副作用・傾眠より高い。

・双極治療
躁だ、鬱だ、の患者の訴え通り、処方調整せざるを得ない部分あり。
患者の訴えに精神科医が振り回されてしまい、医師・患者の関係性が築きにくい部分もある。
(特に、パーソナリティ障害傾向の強い患者だと、ますます関係性が築きにくい)

・双極の原因とされる仮説に不飽和脂肪酸仮説あり。
(FADS1/2:脂質代謝に影響する遺伝子変異が関係)
:現在、不飽和脂肪酸を双極患者に摂取させ、経過を見ていく臨床試験進行中。
結果がはっきりしていないため、今のところは、積極的に青魚食べたり、サプリ摂らなくてもいいと思います。

※その2に続きます。