グルーポンビジネスを経て、今ある僕自身を見つめてみる
1.グルーポンとの出会いとその衝撃
2010年5月、以前ルームシェアをしていたメンバーから連絡があり、グルーポンビジネスに関する話を聞き、一緒にやらないかと誘いを受けました。
その時は「会社創って、たった2年で売上300億円を超え、利益が40億円も出ているビジネス 」と聞き、そんなおいしい話があるはずがないと、ビジネスモデルを調べてみると、
以下のように三方よしの近江商法がその成功をどうやら担っていると言うことが分かってきました。
・対ユーザー
「え!?50%割引!?」⇒「よし、買うぞ!」⇒「販売枚数に達するように宣伝するぞ!」
「事前決済だけど、購入者が一定人数集まらなくてチケットが発行されない場合は、お金は支払わなくてもいいからリスクがないぞ」
・対企業(店舗)
「クチコミで人が増やせるし、消費者は既にお金を払っているので確実に集客が見込めるぞ!」
「しかも成果報酬だからリスクなくお願いできるぞ!」
「まとまったお金が入るぞ」
・対グルーポン系サイト運営側
「質の良い商品だと規定達成して儲かるな」⇒「商品は厳選した方がお得!」
「リーマンショック後だし、大きな値引きでの訴求は消費者に届くんだろうな。なるほど!しかも儲かるしやらない手はない!」
と、アクセンチュア というそれなりに給料もいい会社を抜け出して、起業することにしました。
この「儲けたい」という動機は後々、「自分は何がしたいのか?(どのような課題を解決したいかと言うニュアンスに近い)」に対する自問自答に対して何も答えられない未熟な自分を露呈する結果となりました。
唯一の救いは、「まだ26歳だし、もし失敗してもやり直しは何度もきくしね!」と思っていたことだったと思います。
2.グルーポンとソーシャルメディア
さて、グルーポンビジネスをすべく立ち上げた会社シェアコト では、自分の未熟さを痛感し続けることになります。
商社ミスミ出身の田中はバリバリの営業マン。そのキャラクターと図太い精神でゴリゴリと営業し店舗との契約を獲得していきます。
NRI出身の東海林は、国内でも競合が乱立するなかでどのように勝つかを超ロジカルに考えていきます。
僕はと言うと、システム開発やデザインができるわけでもなく、アカウンティングの知識もなければ、営業もしたことがない。できるのはエクセルやパワポでの資料作成。起業して間もなく、「自分に何ができるのか?何もできない。」と言う状況に陥ってしまいました。
負けず嫌いさとプライドだけはあったので、なんとか社内で自分のポジションを獲得しようと、CFO目指してみたり、はたまたCTOを目指してみたり、フラフラしてました。
結局どれも地に足付かず、二人のサポートをしながら、日記程度に始めたアメブロ をちょこちょこ更新していました。
そんな中、グルーポンビジネスを調べていると、どうやらソーシャルメディア と言うヤツがグルーポンビジネスとは相性がよいと言うことが数字的にも分かってきました。
下記はCompete.comが出した2010年1月のデータ であるが、グルーポンサイトへの流入のうち、44%がFacebookから、8%がTwitterからと、半分以上がソーシャルメディア経由だと言うことが分かります。
「なるほど!日本でもグルーポンを成功させるにはソーシャルメディアを使ってサイトにお客さんを流入させればいいんだ!」
その頃、Facebookのアカウントは持っていたものの、ほぼ使っておらず、mixiはボチボチ、Twitterはまだ始めたばかり、みたいな状 況でした。Twitterやmixiのユーザーが多いのは分かったので、ユーザーの少ないFacebookはとりあえず無視して、How to本などを読みながら、ソーシャルメディアを使い始めました。
その時ちょうど東海林が、「ソーシャルメディアの勉強会があるから行ってみなよ」
とTechWaveの「ソーシャルメディアコンサルタント要請講座 第二回
」の参加を進めてきました。15万と言う金額にビックリするのですが、これが後々僕の今後を大きく左右するなんて知る由もありませんでした。
各回とも僕には新鮮で、知らないことばかりでした。IT業界やマーケティングなども、この頃やっと分かるようになってきました。勢いあまって第三回目も参加することになるのですが、
講
師陣(TechWaveの湯川さん、ループスの斉藤さん、ANAの山本さん、エイベック研究所の武田さん、良品計画の奥谷さん、サントリー坂井さん、メン
バーズ原さん、mixiの原田さん、Facebookの児玉さん、多摩大学の公文先生)や一緒に講義を受けたTechWaveメンバーは今の私の財産に
なっています。
しかし世の中そんなに甘くはなく「ソーシャルメディアを使ってマーケティングだ!」と意気込むものの、ソーシャルメディアではなかなかユーザーを獲 得することはできず、SEMや商品紹介のコピーライトとクリエイティブ制作、キャンペーン等の企画立案、国内外のグルーポン系ビジネスの事例調査とその情 報発信、グルーポンに近しいビジネスの研究、先代から現在に至るまでのビジネス書の乱読、IT系のリアルイベントへの参加などビジネスを成功するために我 武者羅になっていました。
この頑張りが今の僕の血となり肉となるのですが。
3.グルーポンビジネスからの撤退
ベンチャーであった僕たちは、資本力もないので、マンパワーで営業をかけ店舗さんを獲得するのは効率が悪くスケールしませんでした。またユーザーに対してもSEMにかける費用もなく、商品を知ってもらうことすらなかなか上手く行きませんでした。
- ユーザーにインセンティブを与えて、店舗を開拓してもらおう
- 店舗さんが店舗さんを紹介してくれると、次回以降のクーポンのマージン率は下げよう
- 割引のクーポンではなく、特別体験のクーポンを出そう(例えば、窓際で景色が綺麗に見れる席に座れる券とか)
- クーポンを出してくれた店舗は、その後自身でお客さんを呼び込むことができるように、ソーシャルメディアを上手く活用してもらえるようなマニュアルを渡そう
- 営業代理店に店舗を開拓してもらい、レベニューシェアしよう
- VCから資金集めて、営業費用と広告費にあてこもう
- 自社ではクーポンの販売力がないので、他のクーポンサイトにクーポンをOEM提供しよう
- ステマしよう
- 調査会社の調査項目に「シェアコトを知っていますか?」と言う質問欄を載せよう
- 位置情報系サービスと提携しよう(グルーポンナウ的な)
- ドロップシッピングで安く通販しよう
- 自分ごとなコピーを書こう
- 日本グルーポン協会を開いて、業界の標準を作ろう
・・・
ありとあらゆることを考え、実施し、それでもなかなか上手くは行きませんでした。そんな中DMMやGMOなどの大手もどんどん参入してきました。そしてグルーポン系サイトの競合は2010年末250個を超えました。
焦りはピークに達していました。
2011年の年明け、グルーポンジャパンのお節問題 もあり、業界の勢いは失速することになります。
このビジネスは、参入障壁が低過ぎるため競合が乱立しやすく、価格競争力と資本力がものを言うんだなと言うことを強く認識しました。恐らく前から気付いていたのかもしれませんが、市場が成長していた頃は「まだイケるはずだ!」と気合を入れていました。
結果、2011年4月1日サイトを日本初の共同購入クーポンサービスのpiku割に譲渡 することになりました。
4.自分は何がしたいのか?
無我夢中で走り続けたグルーポンビジネスを譲渡後は、抜け殻のような自分になっていました。
「なんのために起業したんだろう?何がしたくて起業したんだろう?」
最初の起業当時は
「あのスケールするビジネスモデルであるグルーポンの波に乗ってみたい!そして儲けたい!」
と思っていました。それが難しくなった状況で、僕は完全に目標を見失っていました。
「何がしたいんだろう?」とひたすら自分に問いかける日々が始まりました。
そんな中、シェアコトは全く違うビジネスを始めていました。僕もソーシャルメディアなどを活用したWebのコンサルや新しい領域の事例調査案件などを請け負っていました。
TechWaveのお陰でソーシャルメディアや新しいサービスに関する知見、その界隈での人脈が出来ていたのでやはり「ソーシャルメディアだ」と思い、大きなお客さんにソーシャルメディアのソリューションを提供しているトライバルメディアハウス に入社することを決意しました。
しかし自分への「何がしたいんだろう?」と言う問いかけが止まることはありませんでした。久々のサラリーマンの感覚、落ち着いて考えることができました。
トライバルメディアハウスは副業OKだったので、たまたま僕のことを知っている人経由で似顔絵やイラストの制作を個人で請負い始めました。僕、実は小学校の頃から絵を描いていて、イラストや漫画描けるんですww
「あの似顔絵よかったよ~!お陰でめっちゃ感謝されたよ、ありがと!」
「あれ?なんだこの感覚は?」小、中、高、大と漫画家を目指していた頃の感覚でした。
「やっぱり絵(漫画)が描きたいんだ、僕。絵でご飯食べたいんだ。あれ?でも世の中の画家さん達ってどうやって絵で食べてるんだろうか?」
ひたすら今の現状を調べ始めました。大学生の頃とは全く違い、今まで培ったビジネスの視点で見ることができました。
その業界のトレンドや課題等がだんだん分かってきました。(詳しくはIn the looop に寄稿しています。こちらも寄稿再開します。)
ビジネス視点を持つ自分と漫画を描くことが出来る自分。。
「これだ!!!ここにヒントがある!!!!」
そう思ったらもう止めることはできず、2011年の11月、漫画ビジネスをすべく、再び起業し株式会社フーモア を創りました。
ですが、実はまだ「何がしたいか?」と言う問いに対しては、明確な答えを出せていませんが、間違いなくここに答えがあることは分かりました。今現在は「自分ができること」をしつつ、「何がしたいか?」と自問自答を繰り返し、漫画ビジネスを徐々に構築中です。
直近では、ビジネスを通じ、漫画を使って日本ととある国の文化交流を図れるかもしれない、と言うところまで来ています。上手く行くと、漫画という日本が誇る文化を使って国と国の交流を促進させられるかもしれません。
今、妄想が止まりません。
おわりのグダり
ここ最近忙しく(と言うのは言い訳で)ブログを書くことから離れていましたが、これからは引き続きここでもブログを書いていこうと思います。
ITmediaなのでITに関することを中心に書くべきだと思っているので、ITに関するテクノロジーやサービスで僕が思う見識を述べてきたいと思います。
と言うのも、こうやって文章に書くことで自分の欠いてる部分を発見でき、頭も整理されるからです。
引き続きよろしくお願いします。
芝辻
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知られざるGroupon(グルーポン)が果たす社会的責任「G-team」の活動
IPOを果たしたグルーポンだが、IPOをして約2週間が経つが株価は順調に推移しているようだ。
2011年11月18日の終値は26.19ドルで、IPO初日の終値26.11ドルよりも高い状態で取引を終えている。
さて、今回のエントリーはそんなグルーポンが密かに(?)行っている社会的活動に関して、事例を交えながら紹介したいと思う。
■知られざるGroupon(グルーポン)の社会的責任「G-team」の活動
前回のエントリーでも触れたが米グルーポンは2010年7月から「G-team」と言う社会貢献活動を行っている。
これはグルーポンの前身となったthe pointとグルーポンのビジネスを掛け合わせた新しい試みである。
シカゴで立ち上げられた「G-team」は、アメリカをはじめ3カ国の50市場以上で週単位の地元キャンペーンを国際的に実施している。グルーポンユーザーはグルーポンによって買い物客が自分の街が提供する最高のものを発見できる一方で、楽しみながら慈善活動を行い、所属する地域社会に実際に貢献することができる。
ユーザーはグルーポンで自分が住む地域にある知られざるお店を知ることができるだけでなく、地域の団体や組織を知ることができ、実際にどのような活動をしているかを知ることができる。
仕組みはグルーポンが通常のDeal(取引)で行っている、共同購入クーポンとほぼ同じである。Dealに対してある一定以上の購入者が現れた場合取引が成立し、活動が実施されたり、団体へ寄付されたりする。
この際、通常のグルーポンの取引だと、取引額に対して手数料(取引額の50%とされている)が引かれるが、G-teamが提供するDealは手数料を取らず、全額が還元される。
つまり、グルーポンがDealを作成するためにかけた人件費や決済手数料、トランザクションフィーなどはグルーポンの手弁当となっている。
G-teamの活動に対するグルーポンのDealの大半は5~10ドルから購入(寄付)可能となっており、気軽に支払えるものが多い。Dealの中には25ドル、125ドルなどさらに高い金額でも購入できるようになっているものもある。
Dealの内容は、動物保護、医療(エイズ)、教育、震災、社会復帰など様々な社会的課題に対して活動している団体等に関する寄付などが多く見られる。
■G-teamの活動事例を8つ紹介
3.11の震災時、日本の共同購入クーポンサイトでも義援金と言った形で募集をしていたが、G-teamでも寄付を募っていた。対象となった団体は「International Medical Corps」。ここはグローバルなサポートと救済に特化した医療専門家のグループで、四半世紀に渡り活動をしている。ハリケーンカトリーナやハイチの際にも活躍をしていた。
価格は5、10、25ドルで5000以上購入された。
2.グルーポンフィリピンのG-team:HIV/AIDSの拡大を防止する「ラブ・ユアセルフ・プロジェクト」のDeal
2011年9月、グルーポン・フィリピンがG-teamを立ち上げた。このG-teamが最初に行った活動のテーマはHIV/AIDS。
ラブ・ユアセルフ・プロジェクトへの支援をすることで、家庭内のHIV感染増加に関心を持ってもらうもの。私はこの辺に関してあまり知らなかったのだが、HIVはフィリピンで増加しており、健康国立疫学センターの省から7月の報告によると、2011年7月には新たに204人がHIV感染者と診断され、これは過去最高であり、前年同期比56%増を記録したそうだ。HIV感染者が増加している国が7カ国ありフィリピンはその国のうちのひとつだそう。
価格は100、400、1000ペソで64枚購入された。
3.ペットを保護し飼ってくれる家庭を探す「Save-A-Pet Adoption Center」のDeal
救出されたペット用の餌や、ペットのリハビリ・教育を行うSave-A-Petという団体のDeal。
700ドル集まると、100匹分の犬や猫ちゃんの餌が確保でき、リハビリを行うことができる。
価格は7ドルで1000枚以上購入された。
動物に対し、人道的な扱いができるように学生(子供)を教育するPACTと言う団体のDeal。
動物虐待をする子供が多いからこのようなプログラムができたのだろうか?面白いプログラムである。
400ドル集めることができると、200人以上の子供に無料の教育プログラムを実施できる。
価格は10ドルで87枚購入されている。
5.女性教育プログラム「Room to Read」のDeal
アジアやアフリカにおける発展途上国全体の教育におけるリテラシーと男女平等の向上を目指す組織Room to ReadのDeal。
図書館や小学校を建て、人生をきちんと過ごせるように女性を中学教育までを行えるようにサポートをしている。
10ドルで女の子の教育を2週間することができる。
価格は10、25、125ドルとなっている。定価が20ドルで販売価格が10ドルと言うことは、半分はグルーポンが負担しているのだろうか?
6.男女平等をサポート「Girls for Gender Equity (GGE)」のDeal
女性を物理的、心理的、社会的にサポートするGGEのDealで、内容は国立女性研究会年次総会に出席するための旅費等を集めると言うもの。
驚きなのは、ニューヨーク市の公立学校で、4人に1人の女性はセクハラを経験しており、学校を辞めたり、自殺したりしていると言う事実。
先ほどののDealに引き続き、男女の差別は未だに課題であることを認識した。
550ドルで女の子一人の旅費となる。
価格は10ドルで86枚購入された。
7.ゲイ・レズビアン・バイセクシャル・性転換などに対する理解を促進させる「GLSEN」のDeal
ゲイ・レズビアン・バイセクシャル・性転換の理解を促進させる教育キットを教育機関に提供すると言う「GLSEN」Deal。
米国の学校では、高校生の85%は性的嫌がらせを受けていると報告され、そして最大で19%の人が自分の性的、性別的な暴行を受けているらしい。
2500ドル集まると250カ所に教育キットを送れる。
価格は10ドルで850枚購入された。
低温殺菌の母乳を未熟児もしくは病気の幼児に提供しているIMMBのDeal。
母乳には栄養はもちろん、酵素、ホルモンなど幼児の正常な成長に欠かせないものがたくさん入っている。そんな母乳を低温殺菌し、母乳を得ることができず、かつ未熟児、アレルギー、感染症などのハンディを請け負っている幼児に提供される。
価格は10ドルで120枚購入された。
その他それぞれの地域に根ざしたDealがたくさんあった。
G-teamの活動状況は下記グルーポンのブログでまとめられているので参考にしたい。
http://www.groupon.com/blog/tag/g-team/
またG-teamのマネージャーが記事にコメントをしているが、来年は2000ものキャンペーンをG-teamで実施していくと言っている。
記事:G-Team: Groupon’s program to support causes
賛否両論あるグルーポンだが、こう言った企業精神は私は非常に好きである。今のところ日本のグルーポンはそのような活動をしていないようだが、是非とも行ってほしいと思う。
こう言った活動は余裕がないと出来ないと思うが、日本のグルーポンでも是非実行してほしいなと思う。
今回のエントリーは私自身非常に勉強になった。
G-teamへの慈善活動や市民活動の申請はこちらの応募フォームからでき、活動の提案はこちらの応募フォームからできる。
※前者は該当地域しか受け入れられないかもしれないが、後者は日本からでも応募できる。英語だが。。
お問い合わせはこちらまで
そのFbアプリのアクティブユーザーは?「TOKUGAWA15判定」で検証してみた
前回のエントリー「最近流行り?自分のウォールに画像フィードが流れるfacebookプロモーション事例5選! 」 でも書いたが、Facebookのアプリで、診断結果がウォールに流れ、それを見たソーシャルグラフ上の友人が、そのアプリを利用し、そしてまたその友人 がそのアプリを使うと言うプロモーションが流行っている。今ではそのアプリがパッケージ化され数十万円と比較的安い金額で販売しているところもあるくらい だ。(お問い合わせ 頂ければ提供会社様をご紹介致します。)
そんなアプリの要素は下記点であると考えている。
1.視覚的に訴えている点
2.ソーシャルグラフを上手く活用している点
3.短時間で利用できる点
4.診断系であるという点
5.インセンティブやゲーム要素を取り入れている点
さて、今回のエントリーでは大きく2点をまとめてみた。
一つ目は、同様のアプリを活用し爆発的にファンを獲得したFbページの紹介
二つ目は、このようなアプリが一体どれくらいのユーザーに使われているかの調べ方
である。
■ 爆発的にファンを獲得する「お江戸、いいね!~ I Like! EDO」の「TOKUGAWA15判定」
最近診断系のアプリを活用し、短期間で数十万人ものファンを獲得したFacebookページが登場した。
「お江戸、いいね!~ I Like! EDO 」だ。
なんと2011年11月13日現在で27万人以上のファンの獲得に成功している。
2011年11月7日からスタートしたこのアプリ。あまりの人気で、アクセスが集中しサーバーが落ちてしまうほどだったようだ。
開始当初どれくらいファンがいたかは分からなかったが、2011年11月11日には10万いいね!を突破し、1日後には20万いいね!を突破。
私がこのブログを書いている最中にも1000いいね!ほど獲得をしている。(2011年11月13日20時時点)
診断系アプリの内容は非常にシンプル。数問の質問に答えていくと、江戸時代の徳川家15代の誰に近いかと言うものが診断されると言うもの。
フィードへは1枚ペラの画像が投稿される。ちなみに私は、家斉であった。
平成のマリーアントワネットって(笑)。。。。
このアプリが良かったと思う点は以下である。
・質問数が少なく内容もシンプルで、短時間で診断結果が得られること
・歴史上の人物と言う誰もが知っている(または受け入れやすい)モノを題材としたこと
おそらくアプリのコンテンツは、江戸文化歴史検定1級合格者「堀口茉純」と言うキレイな女性がしているものと思われる。(合格率5%と結構難しい検定 らしい)
同Facebookページのウォールを見るとアプリ開始日からユーザーからの投稿で溢れている。まるで米コカコーラのFacebookページ のようだ。
さて、直近一ヶ月間でどれくらいのユーザーにこのアプリが利用されたかと言うと、
な、
なんと
52万人!!
(※2011年11月13日20時時点)
仮にこのアプリで獲得したファン数を20万人と仮定すると、アプリを利用したユーザーの約4割がファンになっている計算になる。私が今まで見てきたアプリの中では、獲得したファンもそうだが、アプリ利用者でFbページのファンになっている割合も非常に高い。
またこのアプリ、診断結果にフィードに「スマートフォンはこちらから」とあり、スマホでもできるのかな?と思いきや、今はエラーで落ちているようだ。
■ Facebookアプリの月間アクティブユーザーの調べ方
本エントリーで紹介している診断系アプリに限らず、Fbアプリは、自社で作ったものでなくても月間アクティブユーザーを調べることができる。
「お江戸、いいね!~ I Like! EDO」の「TOKUGAWA15判定」を例にしながら、その調べ方を説明する。
1.アプリのページに行き、URLの末尾の数字をコピーする
「TOKUGAWA15判定」アプリであれば”app_”以降の数字「199484653434803」がそれに該当する。
https://www.facebook.com/ILikeEDO?v=app_199484653434803
2.コピーした数値を指定のURL末尾にペーストしてURLを開く
下記URLの”id=”以降に先ほどコピーした数字を貼り付ける。
https://www.facebook.com/apps/application.php?id=
先ほどコピーした数字「199484653434803」をつけると
https://www.facebook.com/apps/application.php?id=199484653434803
クリックすると下記ページに遷移する。
左下の「月間アクティブユーザー」が調べたい数字となる。
この数字には若干のタイムラグや有効数字が存在すると思われ、「TOKUGAWA15判定」アプリでもちょうど52万人とぴったりの数字となっている。
どのようなアプリでも調べることができるので、いろいろ見てみると面白いかもしれない。
私事ですが、11月11日をもってトライバルメディアハウス を卒業し、フーモア と言う会社を立ち上げました。WEBの漫画配信サービスを行っていく予定です。引き続きソーシャルメディアや面白いビジネス系の情報発信は行って参ります。皆様、今後とも宜しくお願い致します。
下記は私が描いた自社HPのイラストです(笑)。
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IPOしたGroupon(グルーポン)の功績とピボット戦略についてまとめてみた
クーポン共同購入サイトの米グルーポン が、2011年11月4日ナスダック市場に上場をした。
5月の人人網 (中国のSNS)、LinkedIn (ビジネス向けSNS)、6月のPandora Media (ネットラジオ)、8月の土豆網 (中国の動画サイト)とIT系の大型IPOが続き、待ちに待ったGroupon!と言った感じだ(私だけかもしれない、、みなさんは、ZyngaやFacebookのIPOにご興味があるかもしれないが。。。)
株価は初日の終値が31%高の26.11ドル で、順調な滑り出しのようだ。
いろいろな意見が飛び交わされるグルーポンだが、今回のエントリーでは、そんなIPOを成し遂げたグルーポンがもたらした功績とピボット戦略について肯定的な目線で見ていきたいと思う。
■グルーポン設立からIPOまでの過去3年間の功績
「Congratulations, Groupon! 」と言う記事にグルーポンの功績が書かれているのでコメントを付けて紹介する。
1.フラッシュマーケティングと言う全く新しい産業を発明
日本国内でも一時は250サイト、中国では5000サイトを超える運営企業が誕生 。全世界を考えると、1万サイトを越えるのではないかと思う。
新しい産業と言っても、共同購入サービス自体は、日本でも楽天などが実施していたり、海外でもベンチャーなどが同様のサービスを展開していた。2000年に既に閉じてしまったMercataなどの失敗に関してはこの記事を読んで欲しい。
記事:Group-buying site Mercata to shut its doors
価格を下げるための集客に時間がかかってしまっていたことや、規模が小さかったため、バイヤーとしての力が弱く、Amazon等を上回るディスカウント価格を得ることが難しかったため失敗したと分析されている。
しかしグルーポンが新しかったのは”地域密着型(つまりリアル)”の共同購入サービスをしたことである。
※ここの部分は本エントリー後半のピボット戦略にも大きく関わってくる重要なポイントである。
2.史上で最も急成長を遂げている会社の構築
こちらの記事(Grouponはグーグルのデビュー時の売上高を圧倒 )に載っているグラフを参考にすると、売上高ベースでグルーポンの成長スピードいかに速く、他を圧倒しているかが分かる。
このグラフのデータ元Wall Street Journalの記事はこちら
3.1万人以上の雇用創出
従業員が1万人もいるとは。営業部門が約半数の5000人くらいいる。
4.年間売上高10億ドルを達成
5.何十万人もの会社に新規顧客を流入
6.数千万の消費者にディールを提供
2011年第2四半期でGrouponの利用者累計は1億1570万人、クーポン購入者は2300万人。
7.スタートアップと起業家を生んだ
私もその一人?
8.猛烈な批判を風化(笑)
9.約150億ドルの評価額で公開
時価総額はソニーとほぼ並び、約165億ドル(約1兆3千億円)(2011年11月4日時点) になっているようだ。
驚異的に成長したグルーポンだが、赤字額も1億ドルくらい ある。よく比較されるが、あのAmazonでさえも、1997年に赤字のまま上場し、黒字に転換したのが2003年、といった例もある。グルーポンもアマゾンと同じ用に、ストーリーとしての競争戦略 (こちらの本にアマゾンのことが紹介されている)があるのかもしれない。
■グルーポンのピボット戦略
そんなグルーポンになんとなく期待をしてしまうのが、グルーポンの敏捷性や応用力である。グルーポン誕生から今までの歴史をざっと振り返ると大きなピボットが2つあることが分かる。
2007年11月:the point サイト立ち上げ
2008年11月:Groupon開始
2010年7月:G-team 開始
2010年12月:Groupon StoresとDealFeed を試験的に開始
※GrouponStoresは後にGroupon Now!に変わった?
2011年3月:Groupon Now! 開始
2011年9月:Groupon Goods 試験的に開始
ピボット1.the pointから共同購入サービス(グルーポン)へ、そしてG-teamへの回帰
良く知られていることだが、創業者アンドリューメイソンは、グルーポンのビジネスモデルを初めからしていた訳ではなく、グルーポンの元となった「the point 」というサイトを2007年に立ち上げている。
「1人で献金しても足りないけど、皆のお金を少しずつ集めて献金をする」「人数を集めて大きなボランティアを行う」といったことを手助けするサービスである。
そのオンライン上での協調行動に関するアイデアはグルーポン誕生の礎になっている。
グルーポンが、割引チケットに対して人々が集まり、一定数以上の購入者が現れた時に割引が有効化するシステムであるように、the pointは、人々がある誓約(例えば寄付やボランティア、社会運動に参加するなど)をたて、その誓約に賛同する人々が一定数集まった時にそれを実行す る、というものである。
2010年7月に、このThe Pointとグルーポンを融合させたのがG-team である。
どうやら創業者のアンドリューメイソンは、オンライン上でのグルーポンコミュニティを現実での繋がりにステップアップさせたいようだ。
G-teamのサイトに飛ぶと下記のようなことが書かれている。
”昔々(2008)、グル―ポンはファンドレイジングのプラットフォームの一つ、The Pointとして生まれた。グル―ポンが大きくなり、そのサービスを通じて人々は彼らの住む町の楽しみを再発見した。
長い道の果てに、僕達はThe Pointの力を再び手中に収めるときが来た。G-teamを使ってグル―ポンのユーザーを彼らのコミュニティとつなげるのだ。グル―ポンのユーザーで、 何かよいことをしたい、楽しみたい、そして本当のインパクトを生み出したい、そんな人々がG-Teamをつかって誰でも参加できるのだ。”
私はこの思想がグルーポンや創業者のアンドリューにある限り、応援したいし、成功して欲しいと思う。
さて、その後、2010年12月にGroupon Stores、2011年3月にはGroupon Now!を提供し、店舗主導型グルーポン(いわゆるグルーポン2.0)が出来るようになり、店舗が好きな時に、好きな価格で、好きな枚数分だけチケットを 販売することが出来るようになった。
ピボット2.グルーポンからグルーポングッズへ
直近の2011年9月では、Groupon Goodsが試験的に開始された。ローカル店舗の割引チケットを販売する通常のグルーポンとは異なり、家電製品などをオンライン販売している。これはかなりインパクトのあるピボット戦略だと考えている。
アマゾンやウォルマート、ベストバイなどのリテール業界に真っ向勝負と言った感覚である。上記「Mercataの失敗 」でも書いたが
(Mercataの共同購入サービスは)”規模が小さかったため、バイヤーとしての力が弱く、Amazon等を上回るディスカウント価格を得ることが難しかったため失敗したと分析されている。”
今のグルーポンは違う。ユーザー数は1.5億人を誇り、バイヤーとしての力が強くなっているのである。
リテール業界のユーザー数を見るとAmazonは2.8億やeBayは2.2億人、ウォールマートは4千万人。グルーポンは十分対抗出来うるユーザーを抱えていることになる。
米コムスコア(comScore)が発表した6月の世界の小売・オークションサイト訪問者数ランキング
さて、アマゾンはどうかと言うと、共同購入クーポンサイト第2位のLivingSocial とタッグを組んでいる。そんなLivingSocialもIPO を狙っている。
Googleの動きも気になる。Google offers はまさにグルーポンの領域。Google shoppingなどでジワジワとリテール領域にくるのではないかなと思う。
オンラインショッピング、共同購入サービスそしてオークション。この3つの辺りの覇権争いが今後面白くなってくるかもしれない。私はユーザー層が比較的近 しいかなと考えており、各プラットフォームが抱えるユーザー数が肝になってくるように思う。例えばeBay誇るオークション領域は、そのまま同じオーク ションサービスか、Amazonマーケットプレイスなど中古市場と競うことになるかなと。
とすると、グルーポンの次のピボットはオークションやマーケットプレイス的なところかもしれない。
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クーポン共同購入からソーシャルコマースへの舵切り!KAUPONのピボット戦略「サービスチケットプ
キラメックス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:村田 雅行)は、本日(10/24(月))より共同購入 クーポンサイトとして運営していた「KAUPON(カウポン) 」の大幅なリニューアルを実施 した。
最近よく耳にする言葉に「Pivot(ピボット:方向転換)」は、グルーポンビジネス(共同購入クーポン)のような新しいスタートアップにとっては生き抜く上での戦略として柔軟さも必要なのであろう。
KAUPONの新しいサービスは、飲食・エステ・美容院などのリアル店舗のチケットが購入できるプラットフォームである。今までの共同購入型クーポンサービスとは異なり、チケットの取引成立枚数の下限値や時間限定のフラッシュマーケティング的要素を強制しない。
再編が進む国内の共同購入型クーポンサービスの中でも大きく形態を変えることとなったピボット戦略であろう。
つい先日話題にもなった、楽天のFacebookページ開設支援サービス「楽天S4 」がECサイトのFコマースなら、KAUPONの新サービスはリアル店舗のFコマースと言えるだろう。
■新KAUPONのサービス概要
飲食店等のリアル店舗から月額5,250円とチケット販売手数料15%を取る仕組みとなっている。店舗はKAUPONに掲載することで、ソーシャルコマースをすることができ、Facebookページを作成してもらえる。
hotpepperやぐるなびと違うところは、
・店舗主導型であること
・事前決済が可能なこと
・ソーシャルメディアをフル活用していること
などが挙げられる。
店舗が好きな時に、クーポンなどが発行できるのは、Groupon Now! やFacebookのチェックインクーポン とサービス内容が被っている。しかし、Groupon Now!に対してはFacebookページが作成されること、チェックインクーポンに関しては事前決済があることなどで、両者が持っていない部分を統合するようなサービスとなっている。
当面は東京都のみの展開となるようである。
■既存KAUPONサイトのソーシャルコマース化によって得られた知見
またKAUPONは共同購入型クーポンサイトを運営している際に得られた面白いデータも公表している。自社サイトのソーシャルコマース化により「購入者の 顔が表示されるとチケットの購入率がアップ」し、「ソーシャルグラフの広さによって購入率が変動する」ことが分かっている。
「ソーシャルグラフの広さによって購入率が変動する」では、より身近なソーシャルグラフの方が購入率が高いとのこと。やや古いデータとなるが、米グルーポンサイトへの流入元の割合 をCompeteが公表しているが、44%がFacebookから、8%がTwitterからというデータが出ている。
ここからは私個人的な見解となるが、Paul Adamsが定義(The Real Life Social Network )している繋がりの強さを日本のソーシャルメディアに置き換えると、強い絆(Strong Tie)はmixi、弱い絆(Weak Tie)はFacebook、一時的な絆(Temporary Tie)はTwitterであると考えることもできると思う。
※ソーシャルグラフの新しさは違うもののFacebookは強い絆も日本では兼ね備えており、Twitterは強い絆も弱い絆も兼ね備えている。
ソーシャルコマースは強い絆が肝になってくると言う仮定のもと考えると、依然国内SNSで最大規模のユーザー数を誇るmixiを如何に上手く使うかと言うことも考えておく必要があると思う。
■今後期待したいサービス内容を考えてみる
・位置情報を絡める
チェックインすることでソーシャルグラフに伝播する可能性があったり、個人のログが取れるので、CRMとして機能しパーソナライズドディールなどが可能になる。しかも店舗主導で。
・店舗予約を可能にする(夜間などでも)
通常店舗(居酒屋など)を予約する際は店舗の営業時間でないと電話が繋がらない可能性がある。店舗の座席が商品の在庫のようにシステム的に管理されるようになれば、ユーザーは夜間でも店舗を予約することが可能だ。akiran
などが似たようなサービスを提供してる。
またソーシャルメディアを活用するのであれば、カレンダー機能などと連携をさせ、友人を誘って、日程が合えば決済が完了するなどといったことも可能になるだろう。(例:Disney Tichets Together )
・店舗ウィッシュリスト
店舗がより全国区になれば(網羅的になれば)、自分のウィッシュリストなどをそこで作成することができるとなおよい。例えば、テレビで観た北海道のラーメ
ン屋に行ってみたいなぁと思ったものを登録しておき、旅行に行った際KAUPONのウィッシュリストを観て訪問するなどが可能になる。
・ソーシャルギフト
上記のようなウィッシュリストが生成されていけば、友人の誕生日等にその友人のウィッシュリストを見て、KAUPONでプレゼントをすることができる。これはGiftee
に近い内容である。
その他様々な展開が考えられるが、是非とも上記はやってほしい内容である。
■その他共同購入型クーポンサイトの動向に関して
共同購入型クーポンと言えば、世界最大手の米グルーポンが来月11月にも米NASDAQに上場する予定 と言うニュースがつい最近あるが、この米グルーポンも直接商品を購入できる新サービス「Groupon Goods 」や、「G-team 」と呼ばれる米グルーポンの前進となったthe point(*1)とグルーポンを融合させたCSR活動をするなどピボット戦略を展開している。
*1:the point とは市民運動を組織するサイトで、消費者が立てた運動に対してその必要となる資金に対して、いくら集まったら運動を実施と言ったサービス。(http://jp.techcrunch.com/archives/whats-the-point/ )日本ではCAMPFIRE などに近いサービスである。
また国内でも再編化は進んでおり、国内第3位のShareee は、piku やGOTi(ゴーチ) など、その他の共同購入型クーポンサイトと事業提携/統合を進め規模を拡大させ、上位2位のグルーポンやポンパレに対し巻き返しをかけている(*2)。
*2:株式会社シェアリーのプレスより(http://www.shareee.jp/press/0 )
グルーポン系のサービスは各国とも苦戦を強いられており再編や淘汰が進んでいる。各社ピボット戦略を打つ中で、私個人の見解としては、割引の陰線ティブだ けではなく、特別な体験が得られるインセンティブだとか、別のインセンティブの訴求によりこのビジネスモデルは成功するのではないかと考えている。
一世を風靡したと言っても良いグルーポン系ビジネス。
今後の展開が楽しみである。
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