中国舟山国際水産城ー3 | エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸

中国舟山国際水産城ー3

 前々回、前回に続き、中国舟山国際水産城を紹介します。舟山漁港における漁船から埠頭への魚の水揚と、そこから陸への運搬の光景を紹介します。


 中国も日本も魚の水揚と運搬の状況はよく似ています。漁港で水揚げされた魚は、水揚埠頭近くの魚市場で売られる魚を除き、加工所や冷蔵所やその他の卸売市場に運送するため、一旦保冷車に積み込む作業が必要です。


 日本の漁港は、魚を水揚げする埠頭が地盤でできている岸壁形式です。そのため、漁船が岸壁に直接着岸し、そこで魚の水揚げができます。また、水揚げされた魚を運搬する大形保冷車が水揚げ箇所の直近まで近づくことができ、そこで漁船から水揚げされた魚を保冷車へ積み込める構造になっています。

 

 ところが、前々回と前回のブログで紹介したように、舟山漁港は水揚埠頭が幅が狭く浮桟橋形式のため、運搬用の大形の保冷車が水揚げ箇所まで近付くことができません。保冷車に魚を積み込む作業は、魚の水揚げ箇所から桟橋を渡り、50m以上離れた陸の上の別のところで行われています。水揚げ箇所から保冷車への積み込み箇所までの魚の運搬が、多くの荷役人の人力に頼った手押し車とリヤカーで行われています。下に掲げる写真のように人力によらずベルト・コンベヤーで行われいるところもありました。

 

 日本の近海魚の水揚げは、多くが魚が活きた状態で水揚げされます。一方中国のそれは、多くが魚が死んだ状態で水揚げされます。このため、中国の漁港で水揚げされた近海魚は新鮮度を保つため、魚の搬送時に大量の氷が使われています。

 しかし、下に掲げる写真に見るように、舟山漁港における魚の水揚げ箇所から保冷車に積み込むまでの長い距離を、炎天下や降雨時にも手押し車の上やコンベヤー上を魚がむき出しの状態で搬送されていました。そうした現場を見ると、この1点だけから推測しても、中国における魚を獲ることから食卓に上るまでの魚の新鮮さを保つことや、衛生上の管理に対する意識が、日本のそれと比べてずいぶん低いものだなと思いました。

 

 次回以降のブログで日本の漁港の素晴らしさを紹介したいと思いますが、中国の三大漁港の一つである舟山漁港の水揚げの現場を見ただけでも、中国の魚より日本の魚の方が圧倒的に美味しい理由が判った気がしました。

 舟山漁港の現場を見るまでもなく、中国の魚料理が煮魚しかなく、日本の魚料理が生でも食べられる料理があることが、中国人と日本人の魚に対する意識の違いを顕著に現していると思います。

 

 日本人が魚を美味しく食べるため、魚を獲る方法に始まり、獲った魚を港へ運ぶ方法、港へ水揚げする方法、水揚げした魚を食卓に運ぶ方法、魚の調理方法まで、日本人がいかに魚の新鮮度を保ち、魚を美味しく食べられるようにするかについて、長い時間をかけて工夫を重ねてきました。二つの旅を終えて、ほんとに魚の美味しい国に生まれてよかったと思いました。



エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-舟山漁港の水揚1

■ 舟山漁港の水揚げ-1


  水揚げ場に着岸している漁船です。左手前の空の手押し車です。

  この手押し車で、水揚げされた魚を陸まで運びます。



エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-舟山漁港の水揚2

■ 舟山漁港の水揚げ-2


  水揚げ場に着岸している漁船から、保冷パックに入っている氷魚(氷漬けにされ

  ている魚)を荷役人が、人力で荷役人の手押し車に載せています。

  積み終わったら、この手押し車を押して、陸で待機する保冷車まで運びます。



エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-舟山漁港の水揚3

■ 舟山漁港の水揚げ-3


  水揚げ場に着岸している漁船から、保冷パックに入っている「氷魚」(中国では

  氷漬けにされいる魚をこう呼んでいるようです)が、ベルト・コンベヤーで水揚げ

  されています。

  このベルト・コンベヤーは、陸で待機する保冷車まで、50mを超える距離を何台

  かつなげて、「氷魚」を搬送できるようにセットされています。

  ベルト・コンベヤーから落ちた魚の入った保冷パックが散乱しています。

  とても汚い感じです。

  散乱した魚は果たして食卓に上るのでしょうか。



エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-舟山漁港の水揚4

■ 舟山漁港の水揚げ-4


  さっきのベルト・コンベヤーの続きです。陸に向かう桟橋の途中の光景です。

  桟橋の途中でベルト・コンベヤーに「氷魚」の保冷パックを積み込むのか、

  ベルト・コンベヤーの脇に保冷パックが山積みされています。

  このまわりにもベルト・コンベヤーからこぼれ落ちた魚の入った保冷パックが

  散乱しています。とても汚い感じです。


  
エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-舟山漁港の水揚5


■ 舟山漁港の水揚げ-5


  この写真を撮ったのは、日中で、たまたま時々小雨が降る曇天で気温24度

  ぐらいでした。日本の近海魚の水揚げは、魚の新鮮度を保つため、比較的気温

  の低く、紫外線の少ない夜明け前に行われます。

  舟山漁港では、日中、雨天でも猛暑の炎天下でもこの状態で、ベルトコンベヤー

  上を氷魚の入った保冷パックが保冷車まで搬送されているようです。

  上掲の写真のようにいくら氷を突っ込んでも、死んだ魚の新鮮度を保つのは

  限りがあることだと思います。

  

  こんなに遠距離を魚をむき出しにしたまま運ばなければならない港の構造に

  問題があります。

  既に建設中の今回のプロジェクトの港の構造も、これと同じ埠頭形式になって

  います。なぜ上海政府はもっと早く私達に相談してくれなかったのだと思います。



エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-舟山漁港の水揚げ6

■ 舟山漁港の水揚げ-6


  陸で待機する保冷車に、ベルト・コンベヤーで運ばれてきた氷魚の保冷パックを

  荷役人が運び込んでいます。やはり落ちた保冷パックが散乱しています。



エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-舟山漁港の水揚げ10

■ 舟山漁港の水揚げ-7


  これは、陸上で待機していた保冷車に、漁船の水揚げ場から手押し車で運んで

  きた氷魚の保冷パックを荷役人が運び込んでいる光景です。

  小雨混じりの天気でも、屋根のない岸壁上で魚の積み込み作業をしています。



エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-舟山漁港の水揚げ8

■ 舟山漁港の水揚げ-8


  これは、漁船の水揚げ場から手押し車で運んできた氷魚の保冷パックに氷を

  足すため、手押しの氷運搬車を抱えて氷を供給する荷役人が待機しています。



エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-舟山漁港の水揚げ9

■ 舟山漁港の水揚げ-9


  漁港の入口の道路です。運送する保冷車がまだ到着していないのでしょうか。

  道路の真ん中に荷造りされた荷とまだ魚がむき出しのままの荷が道路上に放置

  されています。

  漁船から水揚げされた魚を積み込む屋根のかかった荷捌場がないのでしょう、

  雨天でも、炎天下でも道路上で魚の保冷車への積み込みを行っているようです。



エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-舟山漁港漁民相手の飲食店

■ 舟山漁港の漁民相手の飲食店



エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸-漁民相手の店舗

■ 舟山漁港の漁民相手の小売店