「何のためいき?」
と、昔、ごく短い間だけ付き合いのあった男の人によく言われた。
ごく短い付き合いの中で、何回も言われた記憶があるということは
私はそのごく短い期間に言われた回数以上にたくさんのためいきをついていたんだろう。
ためいきは悲しみだけのものじゃない。
幸福ではちきれそうなときに、あふれてしまうためいきだってあるし
たぶん私のそれは、後者だったと思う。
涙を流すほどじゃないけれど、心に秘めておくには大きすぎる感情を
ちょっとこぼす。
私が水の中にすむ生き物なら、小さなあぶくが水槽いっぱいになって
キラキラ綺麗だと思う。
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母さんのついたため息 風になり坂道のぼる私を撫でた