昔の寓話にこんな話がある。

サソリはサソリ。
死ぬ瞬間までそれ以外のものにはなれない。
キャラクターはそういうものだという話。

サソリは池の向こう岸まで行きたかった。
だが、サソリは泳げない。
サソリは蛙に背中に乗せて、
池の向こう岸まで渡ってくれるよう頼むのだが、
蛙は冗談じゃない。お前は俺を刺すに決まっている。
と断るのだが、
サソリは「そんなバカなことはしない。
そんなことしたら、俺まで溺れて死んでしまう」
と蛙を安心させる。

蛙はサソリを乗せて池を渡るのだが、
結局、池の途中で、
やはり蛙を刺してしまう。

一緒に沈んで行きながら、
「どうして、自分も死ぬのに!」
と信じられない思いで蛙が聞くと、

「ああ、分っている。分っているがやめられないんだ。
それが俺のキャラクターなんだ」

自分が他の人を真似て演じようと思っても、
結局はなりきれない。
だったら、自分のキャラクターを生かして、
正直に生きた方がトクなんじゃないか。
と思う今日この頃である。