私は子どもの頃にエレクトーンを習っていました。
お友達と2人で遊んでいるときに、それぞれの母が「ピアノとエレクトーン、どちらを習いたい?」と聞いてきたのです。
お友達が「ピアノ!」と即座に答えたので、一緒ではつまらない、と思った私は「じゃあ、私はエレクトーン!」
当時、エレクトーンというものがどういうものかよくわからずに答えていました。
その後、母はたぶん私に何度も意思を確認したのだと思いますが、そのことは私は覚えていなくて。
いつの間にか、本当にエレクトーンが我が家に届き、習うことになっていました。
普通のサラリーマンの転勤族の家庭に育ったので特に裕福な家庭というわけでもなく、そんな私にエレクトーンを買ってくれた両親の思いを考えると非常に申し訳ないのですが、小学校に上がり音楽室にピアノが置いてあるのをお友達が上手に弾いているのを見てはうらやましくて仕方なかったことを覚えています。
エレクトーンの音色にはいろいろな楽器がありますが、その中に「piano」もありました。
その音を出して弾いてみては、「これじゃない」と電子音が妙に悲しくて。
キータッチだって全然違うし、ピアノが置いてあるお友達の家にお邪魔してはピアノに触らせてもらって満足していましたっけ。
辞めるとも言い出せず、ずるずるとエレクトーンを続け、中学生になり。
いろいろと忙しくなってきたこともあり、やっと辞めることができた時はほっとしたものでした。
長女が「ピアノを習いたい」と言ったとき、中古でいいから本物を、と思ったのはそういった経緯があります。
住宅事情を考えると電子ピアノが妥当なのはわかっていましたが、私の子どもの頃の体験がそれを良しとしませんでした。
今は我が家にある中古のアップライトのピアノを次女が弾いています。
長女は習ってみたものの性に合わなかったらしくある程度経ったらやめてしまいました。
それでも次女に刺激されるように、時々自分で弾けそうな曲を仕入れてきては自己流で弾いています。
ピアノは調律もしなくてはならないし意外とお金もかかりますが、でもいいんです。
子どもたちが好きなように関わってくれたら私はそれで満足です
いつか私にも時間ができたら、ピアノを習ってもいいかな、なんて思ってます。
そのとき、初めて私のピアノ・コンプレックスは解消されるのでしょうね