『もう離さないから・・・。』





後ろから抱き締められて、耳元でそう囁かれる・・・。
ダメ・・・。
もう、決めたんだから・・・。





『イヤ・・離して・・・。』



『離さない。
ちゃんと・・ユナさんの気持ち聞くまで離さない・・・。』





ミニョクくんの声・・・
いつもの優しい声じゃない。
少し低くて、声が震えてる・・・。





『話す事なんてない・・・。
この前言ったじゃない。
“飽きたから別れよう”って。
もう私たち、終わったんだよ・・・。』



『終わってなんかないよ・・・。
オレの中ではまだ終わってない。
・・・ユナさんもでしょ??』





ミニョクくん・・・。
これ以上私に優しくしないで・・・。
もう終わったんだから・・・。





『離して・・・。』



『イヤだ、離さない。』



ミニョクくんの腕を解こうともがいても、
逆にギュッと抱き締められた・・・。



『こんなところ、誰かに見られたら困るでしょ・・・。』



腕から抜け出そうともがいても、
男の人の力には敵わない。



『誰かに見られる事より、
ユナさんがオレの傍から離れて行っちゃう事の方が怖いよ・・・。
お願い、ユナさん。
ユナさんの気持ち聞かせてよ・・・。』



『何でよ・・・。
何で来たのよ・・バカ・・・。』



次から次へと涙が溢れてくる。
もう、自分で自分の抑制が出来ない。



『この前・・・
雑貨屋さんに一緒に行って、
その後インナちゃんの家、行ったんでしょっ・・・??』



『行ってないよ・・・。』



『ウソ・・・。』



『ウソじゃない・・・。
確かにあの日、インナちゃんの家に行こうとしてた。
でも、途中でマネヒョンから電話があって
ドラマの撮影に行ったんだよ・・・。』



『ウソ・・・。
インナちゃんの家に行った事隠すために
ウソ吐いてるんでしょ??』





またウソ吐くの・・・??





『オレ、ウソは吐かないよ・・・。
絶対に行ってない。』



『ホントに・・・??』



『うん、本当。』



溢れる涙が止まらない。



『私、あの時お店に居たんだよ・・・。』



『うん・・・。
さっきインナちゃんに聞いた・・・。』



『あの時、インナちゃんにマフラー・・・』



『ごめんね、あの時何も言い返さなくて・・・。
マフラー・・、一度もイヤだとか思った事ないからね。』



『ホントに??』



『本当だよ。』





後ろからギュッと抱き締められたまま
私の左耳に顔を寄せて
優しく宥めるようなミニョクくんの声・・・。
こんなにイヤな事ばかり言ってるのに全然怒らないんだね・・・。





『ユナさん・・・。』



ミニョクくんの腕の力が急に緩んで、
腕の中でクルリと向きを変えられた・・・。



『ちゃんと顔、見せて・・・。』



優しいミニョクくんの声が頭の上から降ってくる・・・。
泣き顔なんて見られたくない・・・。
黙ったまま俯いていたら
私を抱くミニョクくんの腕に力が入った。



『お願い・・・。
顔、見せてよ・・・。
オレはこのままなんて絶対にイヤだからね・・・。』



私の右耳の傍で、髪の毛に顔を埋めて囁くような声。
でもその声が震えているのがハッキリと分かった・・・。



『ユナさん、お願い・・・。』



『バカ・・・っく・・ミニョクくんのっ・・・バカっ・・・。』



『うん、うん・・・。
オレがバカだった・・・。
ユナさんの気持ちも考えないで・・・。』



『バカ・・・。
もぉ・・ミニョクくんのバカ・・・。』



涙と嗚咽で言葉にならない・・・。



優しく頭を撫でられる。
私の大好きな、優しくて大きな手・・・。
この手にまた頭を撫でてもらえる日が来るなんて・・・。
それだけでも胸がいっぱいなのに、
ミニョクくんの優しい声が胸を締め付ける。





『ユナさん。
ユナさんの本当の気持ち、オレに話して・・・。
オレバカだから、話してくれないと分からないよ・・・。』



『・・・っく・・ミニョクっ・・くんっ・・・。
私、私・・・。』






ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村