“今晩ヌナの家に行って良い??”





さっき楽屋の隅で、衣装の試着の時に小声で聞かれた・・・。
あのホワイトデーから数日・・・。
あの日は結局出勤時間ギリギリまで離してくれなかった。
思い出しただけで顔がニヤケちゃうじゃない・・・もぉ・・・。




『・・・ヌナ。
・・・ヌナ。
ヌナっ!!』



『わっ!!
ビックリしたなぁ。
何よ、ドンウン・・・。
耳元で大きな声で呼ばないでよぉ~。』



『何度も呼んでるのにヌナがニヤケてて気付かないからでしょっ!!
まったく・・・。
何を想像してニヤケてんだか・・・。
ニヤケ顔が気持ち悪いよ・・・。』



『何想像してニヤケてたかって??
聞きたい??
聞きたい??
聞きたいなら細かい事まで詳しく聞かせてあげるわよ♪
何なら実践もしてあげようか??
んんっ??』



『わっ、わっ、分かったから・・・。
ごめん、ごめん。
もう何も言わないから勘弁してっ。』



『分かれば宜しい。
まったくヌナを甘く見るんじゃないわよ・・・。
しかも気持ち悪い顔だなんて、乙女に失礼な・・・。』



『乙女って・・・。』



『んんっ??
何か言った??』



『いえ、何も言ってません・・・。』





ア~ハッハッハ!!
豪快に笑ってると、鏡越しにギグと目が合った・・・。
ヤダ・・・。
恥ずかしい・・・。



他のメンバーにはジャイ●ンでも、
ギグの前ではやっぱり乙女でいたいじゃない・・・。
もぉ。
ドンウンのせいで・・・。
後で覚えときなさいよ・・・。





『よしっ!!
じゃあスタジオ入るぞ~!!』



今日の終了予定は23時。
予定はあくまで未定・・・。
今日中に終われば良いな・・・。
そんな淡い期待を抱いて楽屋から出ると・・・どこかで見た顔。



え~っと・・・。
あっ!!
バレンタインデーにギグにチョコと連絡先を渡してきたコだ・・・。
ギグがそのコに気付いて、チョコチョコと近づいて行くのが見えた・・・。
私がジッと見てるわけにもいかず足早にその場を立ち去る・・・。



胸の奥がズキンと痛む・・・。
きっとあのコ、お返し期待してる・・・よね??
ギグは何か用意してあげたのかな・・・??





『じゃあ、休憩入りまぁ~す!!』



ADさんの声で思い思いに休憩に入るメンバー。
私はメンバーのメイク直しで忙しくスタジオを動き回る。



『ヌナ・・・。
あと少しで収録終わるね♪
早く終わらないかなぁ~。
早くギュッってしてその可愛い唇にキスしたいのに・・・。』





もぉ、唇のメイク直ししてる時にそんな事言ってこないでよ・・・。
この柔らかい唇にキスされると思ったらドキドキしちゃうじゃない・・・。





『ヌナ、顔真っ赤♪
可愛い❤』





まったく!!
みんなしてヌナをからかうんじゃないっ!!
と言いたいところをグッと堪える・・・。





『ギグ・・・。
あのさ・・・。』



『なぁに??』



『うっ・・うん・・・。
さっき・・・廊下にあのコ居たでしょ??』



『・・・あのコ??』



『うん・・・。
ほら、バレンタインの日にギグにチョコ渡してきたコ・・・。』



『あぁ。
お返し渡しておいたよ♪』





えっ・・・??
お返し・・・??
お返しって、何を??
確か、メアドが書いてある手紙も貰ったんだよね??
じゃあ、お返しにはギグの連絡先も書いて渡した・・・とか??



色々聞きたいのに聞けない私・・・。
こういう時って、自分が年上なのが恨めしい・・・。
これが可愛い年下の彼女なら
“もぉ、オッパ!!
お返しってなにあげたのぉ??”
って可愛く聞けるのに・・・。
ジャ●アンな私にはそんな可愛く聞けるわけもなくて・・・。





『ヌナ??
休憩終わりだって!!
メイク直しもう終わりで良い??』



ギグにそう言われてハッと我に返る。
ダメダメ。
ギグはあのコには興味無いって言ってたんだから
気にしないようにしなくちゃ・・・ね。








ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村