『今日はカッコ良く黒できめるわよっ。』
今日はオレが出演するドラマの制作発表の日。
監督さんや、主演の女優さん、俳優さんと一緒に出席する・・・。
主演の方より目立たない様に、
でも、存在をそれなりにアピール出来るようにとヌナが選んでくれた黒の服。
メンバーが6人も居ると、メイクだけではなくスタイリストも任される事もあるから大変そうだ。
最近はヌナにアシスタントのメイクさんが付いてくれるようになって少しは楽みたいだけど。
こうしてメンバーがバラバラに仕事をする時は、重要な方をヌナが担当して、
その他の仕事には他のメイクの人がついて行っている。
だから最近はヌナと会えない日も多々あるわけで・・・。
でも今日はオレのドラマの制作発表だから、ヌナと一緒なんだ♪
やっぱりヌナと一緒のお仕事は楽しい。
今日のメイクは歌のステージとは違うからナチュラルメイク。
でもヌナは、丁寧にオレの顔を【BEASTのイ・ギグァン】から
【俳優のイ・ギグァン】へと変身させてくれる。
『ギグァンは顔が小さくて綺麗なお肌だから、羨ましいわぁ・・・。』
なんてオレの顔に何やらペタペタ塗りながら呟く・・・。
『ヌナの方が顔小さくて肌もキレイじゃん♪
あっ、肌がツヤツヤなのは誰かさんにいつもたっぷり愛してもらってるからかな??』
わざとそう言うと、途端に顔を真っ赤にするヌナが可愛い♪
でも、ペチンっておでこを叩かれちゃった。
オレ、これから制作発表なんですけど・・・??
『ハイッ、冗談はいいから下向いてっ!』
オレ、ヌナの仕事してる時の顔、好きなんだよね・・・。
仕事柄、顔を近づける事多いから、他のメンバーに嫉妬もしちゃうんだけれども。
でも、そんなことぐらいで嫉妬してるって思われるの嫌だから、
平然な顔してるんだけどね。
『よしっ。完成っ!!う~~~ん。相変わらず良い男!!』
親指を立てて可愛い顔で言って来るヌナの唇にチュッと一つキスを落とす。
すると途端に顔を赤くして周りをキョロキョロしだす、愛しい人。
『大丈夫だよ♪誰も居ないから。』
『もぅ。だからっていって、こういうとこではやめてよね・・・。』
メイク道具を手馴れた手つきで片付けながら、唇を尖らせて呟くヌナ。
メンバーの前では姐御肌で、頼り甲斐のあるヌナなんだけど、
オレの前では違う顔を見せるんだよね~♪
少しわけのわからない優越感に浸ってたら
スタッフさんに【そろそろお願いしまーす】って呼ばれちゃった。
ヌナの可愛い唇にチュッとキスを一つ落として、
『じゃあ、行って来ます。』
って言うと、
『うん。頑張って・・・。いつものカッコ良いギグァンでね♪』
って可愛く微笑むヌナ・・・。
このまま押し倒してしまいたいのをグッと我慢して、楽屋のドアを開ける。
楽屋を一歩出ると、俳優ギグァンの顔になる。
アイドルではない、俳優としてオレを抜擢してくれた方々に報いるために。
オレを応援してくれるペンの皆のために。
そして何よりも、会場の隅でひっそりとオレの事を見守ってくれるであろう、ヌナのためにも・・・。
たくさんのフラッシュを浴びて壇上に上がる・・・。
舞台からは会場の後ろの方までは見えにくいけど、
会場の左後方、たくさんのスタッフさんに紛れてオレを見つめる愛しい人が見えた。
ヌナに見合う男になる為に。
ヌナと誓った、【トップになる】という夢を実現させるために。
オレは目の前の仕事を一つ一つ丁寧にやっていこう。
いつか必ずヌナを迎えに行くから・・・。
その日が来るまで・・・・・。こうしてオレの事きちんと見ててね。

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