あの時、何が起こってたか、

自分がどうしてたかは、

凄く覚えてる。

 

でも、よく考えると、

感情のことは、だんだん、

よくわからなくなっている。

 

実家が心配。両親の安否が心配。

 

職場で父や妹とメールや電話で、

やり取りしたのだけれど

夕方から父と繋がらなくなった。

(津波が来たのは解っていたので、

ある程度覚悟はした。)

 

家に帰るのも一苦労で、

信号が動いてなかったから、

交差点を通過するのが大変だった。

(警察の誘導とか無かった気がする)

 

途中、電線が垂れ下がってて、

本気でヤバい、と思ったのは覚えてる。

 

家に着いて、食器とか落ちて、

ぐちゃくちゃな自分の部屋を見て、

この部屋に居られない、と思って、

車で、近所のスーパーの駐車場に行った。

 

実家に行こうと思った。

・・・が、当時の私の体力では行けなさそうだと解った。

 

・・・思いついたのが、近所のおじさんの家。

 

勇気を振り絞って、

疎遠なおじさんの家に行った。

 

夕ご飯をごちそうになった。

 

寝床も準備してもらった。

 

・・・当日のことは、凄く覚えているのに、

感情は覚えていない。

 

・・・ていうか、当時、

感情は無かったのかもしれない。

 

当時・・・起こってることを受け入れることだけで、

精一杯だったのかと思う。

 

何かを考えてる余裕は、

無かったのかもしれない。