子供の頃から足が遅かった。
かけっこでは後ろから2番目が定位置。
もちろん運動会は好きじゃなかった。

その日は町内会の運動会。
高校のグラウンドを借りての大イベントだ。
昭和の話である。

景品はお玉やサランラップ、ママレモンなどの家庭用品。
若い人には分からないかもしれないが、ママレモンは当時どこの家庭にもあったであろう台所用洗剤である。

話はそれるが、お風呂場にゴマダラカミキリが迷い込んで来たことがある。
喜んだのも束の間、ゴキブリと間違えた母がいきなりママレモンを激射して退治してしまった。

ゴキブリに斑点あるわけないじゃん…。
いくら北海道出身ったって、間違いすぎでしょ。
と、子供心に思った。
かわいそうなゴマダラカミキリ。

ママレモンはそんな使い方も出来る?強力な洗剤だったのである。

かけっこは学年ごとに適当に集められて5人くらいで走った。
どうせお玉やフライ返しは貰えないと分かってはいたが、自分なりに頑張って走った。

そう、小2の私はお玉が欲しかったのである。
ゲームなどまだない時代の話。
家庭用品をもらって、母にプレゼントしたかったのだ。

結果は案の定4位。

しかし、景品受け取り所の長テーブルで手渡された薄っぺらな4位の賞品に、私は思いがけなく歓喜することになる。