Childhood【短編小説 番外編】 | みちすけぶろぐ。

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ブログ見てくれましたぁ? 見てくんなちゃ拗ねちゃうもん! ねっ♪

『ゆきちゃん!早くパン食べちゃいなさい!卒園式間に合わないわよ!』

『は~い』

彼女の名前は柏木由紀

若干6歳の女の子である。

由紀
(今日で幼稚園最後かぁ~あのバスともお別れかぁ…)
由紀はお母さんの作ったバナマヨパンを半分に折り食べながら卒園式用のおめかししたお母さんが用意した服に着替えた。
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今から3年前(当時3歳)

由紀
『あのバスがいい!』


『ワガママ言わないの!』

由紀
『だってカワイイんだもん!』


『だってゆきちゃん、あのバスは音楽が好きな子が行く幼稚園のバスだよ。』

由紀
『音楽好きだもん!』


『ゆきちゃん音楽好きだっけ?』

由紀
『……好きになるもん!あのカワイイバスに乗れなきゃ生きていけない!』


『生きていけないときたか(笑)まぁ~いいじゃないか唐湊で。ゆき音楽好きになるんだもんな。』

由紀
『うん♪あのバスに乗れるなら、ゆき好きになるよっ♪』


『よし!ゆき頑張れよ!』

由紀
『うん! やったー♪』


『あなたぁ~』

「鶴の一声」とはこう言う事を言うんだろうと小さいながら、由紀は思ったに違いない。



由紀はずっと乗りたかった、あのカワイイ絵のバスの幼稚園に入園した。

あの送迎用のバスが大好きで仕方なかった。

毎日幼稚園がある日は、黄色いリュックを背負い、薄いピンクの上着を着、時間よりも早くバスが来るのを由紀は待った。晴れの日も雨の日も。

勿論、早くあのカワイイバスが見たいからである。

バスでの思い出は良いものばかりではない。

ある日
バスに乗った由紀は、バスが走っている最中、離れた席の友達に話し掛け様と由紀は席を立ってしまった。

それを見た幼稚園バスの運転手さんに
『コラッ!ゆきちゃん!席立ったら危ないじゃないか!もし急ブレーキをかける事があったらゆきちゃんケガどころじゃ済まないんだそ!』
と怒られた事もあった。
今でも鮮明に憶えている。
憶えているというかトラウマになっている。



バスが目的で入園した様なものだが、園内もまた楽しかった。

先生が弾くピアノに合わせて歌ったり、音楽に合わせて踊ったり音楽も満更じゃないなと由紀は思った。

音楽以外にも、友達と遊んだり、みんなで給食食べたり、遠足行ったり、みんなで幼稚園内にあるプールに入ったり楽しい事ばかりだった。



時が経つにつれて、由紀は本当に音楽が好きになっていた。
歌を歌うのも楽しいし、踊る事も楽しい、楽器を使う事にも興味を持った。


幼稚園最後の大運動会で由紀は、マーチングドラムメジャーを務めあげた。
親も先生も大絶賛だった。


この頃には既に音楽の虜に由紀はなっていた。
同時にアイドルにも興味を持った。
石川ひとみの『まちぶせ』が由紀が初めて好きになったアイドルの歌で、それ以降は松田聖子が好きになり、歌ったり振り付けをマネしたりした。
それが楽しかった。

そして輝いていた。





あれから14年
柏木由紀は今、『AKB48』という国民的アイドルとして、歌ったり踊ったりと音楽活動を続けている。

幼稚園時代にバスが目的にしろ、その幼稚園に入園していなかったら、今AKB48に柏木由紀はいただろうか?

入園した事により、その時代に培った歌や踊りといった音楽に対する学習成果がAKB48で活かされている。


活かされているからこそ、今の柏木由紀は輝いているのだ。


一番自分が輝いてた時期・瞬間⇨『幼稚園時が最盛期。』と自らのブログに由紀はあげている。

自分は思う。

幼稚園時が『最盛期』ではなく

『再生期』だったのではないかと。

『再生期』の再生は
「再び生きる」と言う意味ではなく、「活性化される」という意味である。

音楽の幼稚園に入り、音楽というものに活性化された『再生期』

自分的には今の柏木由紀を見ると、こちらの方がしっくり来る。

2012年6月6日 日本武道館

第4回AKB選抜総選挙にて

第1位を獲った時が本当の意味での

『最盛期』

なんではないだろうか。




みちすけ[みんな:01]

*小説内容の殆どがフィクションですので、予めご了承ください。

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